ポスター掲示板にクリアファイルを取り付ける都知事選の立候補者=東京都新宿区で2024年6月20日午後3時51分、田中綾乃撮影

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 56人が立候補した東京都知事選では、都選挙管理委員会が候補者ポスターの掲示板を48人分しか用意しておらず、都選管は急きょ届け出が49番目以降となった陣営にポスターを入れて掲示板に取り付けるためのクリアファイルを支給する異例の措置を取った。通常よりポスターを張る手間がかかるため、陣営からは不満の声も上がっている。

【写真】異例の措置…都知事選のポスター掲示板どうなっている?

 都選管は、今回の都知事選では都内1万4230カ所に立候補者がポスターを張る掲示板を用意した。前回2020年は1カ所あたり30人分を用意。今回は48人分を確保していた。

 ところが実際には56人が届け出たため、都選管は49番目以降の候補者についてA3判などの透明のクリアファイルを複数枚重ね合わせて、ベニヤ製の掲示板に画びょうやテープで固定してもらうことにした。

 今回、立候補届け出の事前審査終了者は告示前の段階で50人を超えていた。対応が告示当日になったことについて、都選管の担当者は「最後まで立候補者が48人以下になるかどうか見極めた。手間がかかるかもしれないが、増設で候補者間の公平性は担保されている」との見解を示した。

 49番目以降に立候補を届け出た男性候補者は取材に「普通にポスターを張るのと比べると、1カ所あたり倍くらい時間がかかるんじゃないか」と不満そうな表情。別の男性候補者は「風に揺れて(通行人が)気になるのでちょうどいい。でも、掲示板は増やしておいてほしかった」とこぼした。【田中綾乃、深津誠】