Image: Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com

従業員たちの反発まちがいなし。

先日、AppleがOpenAIとのパートナーシップを発表しましたが、それに猛反発しているのがイーロン・マスク。戦闘態勢に入っています。

AppleがChatGPTをOSレベルで統合した場合、自身が経営するTesla、X、SpaceX、xAIではApple製品を禁止すると表明。実際、AppleはOpenAIとOSレベルでの統合を計画中です。OpenAIの創設者の一人でもあり、現在は同社の所有者を提訴中のイーロンは、ChatGPT統合のiPhoneは「許容できないセキュリティ違反」だと述べています。

訪問者までiPhone禁止に

さらに「訪問者はApple製品を入り口で預けてもらい、デバイスは(外部の電磁波を遮蔽する)ファラデーケージに保管する」と続けて投稿しています。

イーロンはさらに、AppleのCEOティム・クックがApple IntelligenceというAIテクノロジーを発表した投稿に対して、「気味悪い監視ソフトウェア」と呼んで反応しています。その後「AppleがOpenAIにユーザーのデータを渡した後、何が起きるのかわかっていない」と投稿しています。

Appleのプライバシー保護は?

イーロンが匂わせている“OpenAIが私たちのデータですること“が何なのかは、たしかにわかっていません。しかし長年にわたって、Appleは自社をプライバシーのリーダーだと自負してきています。そして、AppleはAIにプライバシー重視の機能をいくつか構築してきています。

ひとつめは、ユーザーがChatGPTを通過する全ての要求を承認する必要があること。なので、ユーザーは自分のスマホから何が出ていくのかを正確に知ることができるというわけです。ふたつめは、ChatGPTを通して発せられた要求と情報は保存されないこと。これは、AppleがWWDCの基調講演で説明しています。一見すると、プライバシーの観点から見れば、AppleのChatGPT統合は単にスマホでChatGPTを使うのと変わりはないように感じるのですが、イーロンはAppleの言葉と行動が一致していないと怒っているようです。

OpenAIを提訴中のイーロン

イーロンはOpenAIなどの企業による「Woke AI(ルールに基づいてトレーニングされていて忖度が多い) チャットボット」に対抗するため、xAIとGrokを創設。かつてイーロンはOpenAIの共同創設者でしたが、現在はOpenAIはオープンでなく、非営利の使命から外れているとしてサム・アルトマン率いるOpenAIを提訴しています。

しかし、OpenAIが公開したイーロンのメールのスクリーンショットでは、数年前イーロン自身が「AIモデルは高度化したらクローズドにすべき」と詳述していたことがわかりました。OpenAIを提訴しているイーロンですが、OpenAIが名前を「ClosedAI」に変更すれば訴訟を取り下げるとも言っています。

OpenAIは月曜日の発表で、「SiriとWriting Toolsを介してChatGPTにアクセスする際、プライバシー保護が組み込まれています。リクエストはOpenAIでは保存されず、ユーザーのIPアドレスは隠されます」と述べています。さらに「ユーザーはChatGPTアカウントに接続することもでき、その場合はChatGPTのポリシーに従ったデータの設定が適用されます」と付け加えています。

Appleがプライバシーを高める試みの一環として、Apple Siliconを使用してデバイス上で一部動作する独自のApple Intelligenceを使用するとのこと。月曜日のプレゼンテーション後、Appleは報道陣に対し、自社のプライベートサーバーに関する情報を記した論文を公開し、透明性を高め、第三者によるレビューを可能にすると述べています。

イーロンは強く出ていますが、実際にイーロンが経営する企業すべてからiPhoneやApple製品を完全に排除することは、むずかしいような気がします。まず世界中に数千人の従業員がいますし、従業員全員が会社にスマホを持ち込まないようにするのはやっぱり問題勃発の匂いしかしませんよね…。

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