キヤノン業務用リモートカメラ、新ファームで自動追尾機能を標準搭載
バージョンアップの対象となるリモートカメラシステム
キヤノンは発売中のリモートカメラシステム「CR-N700/N500/N300/N100」の新ファームウェアを7月中旬頃に無償提供する。新ファームでは、これまで別途有償ライセンス購入が必要だった自動追尾機能の一部が“Lite版”として標準搭載される。
これまでは有償ライセンスの購入・アクティベーションが必要だった自動追尾アプリケーションの基本機能をカメラに内蔵する。追尾性能は有償版と変わらないものの、追尾感度は固定(有償版は1~10段階)、追尾対象の表示サイズは2段階(有償版は5段階)など制限があり、「画角内にひとりしかいない撮影に適している」とのこと。
引き続き有償版も提供し、こちらは大きさや構図などにこだわって撮影したい、リモート授業などで黒板がつねに映るように画角を固定したいなど、詳細設定をしたいユーザー向けとなる。
有償版/無償版ともに、追尾アルゴリズムを改良し、追尾対象の乗り移りを大幅に抑制した。これにより、追尾中の人物が別の人物と交錯(横切り/すれ違い)した場合でも、追尾対象が乗り移ることなく、同じ人物の追尾を継続する。
被写体追尾のためのパン/チルト制御アルゴリズムも改良。プロカメラマンからのフィードバックを受け、追尾中のカメラの動き出しと止まり際において、より自然でなめらかな追尾動作が可能になった。
リモートカメラと組み合わせるコントローラー「RC-IP1000」との連携性も向上した。自動追尾の実行/停止といった基本的な制御に加え、タッチパネル上から追尾対象の切り替えや構図設定の変更などが可能になった。そのほか、シルエットを用いた追尾対象の表示位置設定、対応カメラでのシルエット表示にクロップ枠の同時表示なども可能になっている。
SDI OUT/HDMI OUTからカメラ1台分の映像出力だけでなく、2×2、3×3のマルチ表示、プリセット/トレースのサムネイル表示などを外部モニターに出力できるようになったほか、Elgato製「Steam Deck」をUSB接続して、制御ボタンを増設することもできるようになった。
またドライバー不要でWebカメラとしても使用できる「CR-N300/N100」については、USB接続時に最大フルHD/30fpsの映像出力が可能になっている。