和多都美神社のHPより

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 FNNプライムオンラインは6月6日、「【物議】対馬で韓国人観光客が“逆ギレ”禁煙の神社で喫煙ポイ捨て注意も怒鳴り声…韓国人出入り禁止に」との記事を配信し、大きな反響を呼んだ。取材を行ったのは地元テレビ局のテレビ長崎。担当記者が言う。

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【写真をみる】お参りもせずに境内で“排泄”!? 「マナーが悪いとかいうレベル超えてる」韓国人観光客がヤバすぎた

「玄界灘に浮かぶ長崎県の対馬島は、日本より朝鮮半島に近いことで知られています。島内にある和多都美(わたづみ)神社は1000年以上の歴史を持ちます。またアメリカのゲーム会社が元寇を題材に製作し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2020年7月に発売した『ゴースト・オブ・ツシマ(Ghost of Tsushima)』は世界的なヒット作品になりました。和多都美神社はゲームに登場する神社のモデルになったと言われており、海外から聖地巡礼に訪れるファンもいます」

和多都美神社のHPより

 由緒正しい日本の神社に多数の外国人観光客が訪れる。まさに“インバウンド”を象徴する現場の一つというわけだが、テレビ長崎は韓国人観光客の“乱暴狼藉”が看過できない状態になっていると報じた。

「条例で境内は禁煙なのですが、韓国人観光客はタバコを吸い、さらに吸い殻をポイ捨てします。車の逆走や迷惑駐車も横行しており、そうした迷惑行為を注意すると逆ギレする観光客もいます。暴行事件も発生し、警察が駆けつける事態になったそうです。とうとう堪忍袋の緒が切れた和多都美神社は韓国語で『韓国人の立ち入りを禁止』と書いた張り紙を張り出しました」(同・記者)

コロナ禍で観光客は激減

 対馬は九州より朝鮮半島のほうが近いという地理的特性もあり、以前から多くの韓国人観光客がフェリーを使って「最も安く行ける海外」として訪れていた。

対馬市の統計によると、2015年に対馬を訪れた韓国人観光客は約21・3万人、16年が約25・9万人、2017年が約35・6万人と右肩上がりに伸び、2018年には約41万人と最多に達しました。ところが18年は10月と11月に徴用工の問題を巡って韓国の最高裁が日本企業に賠償命令を出したほか、12月には韓国の駆逐艦が自衛隊の哨戒機にレーダーを照射したこともあり、日韓関係が急速に冷え込みました。その結果、2019年の韓国人観光客は26・2万人と激減し、20年は新型コロナの影響で約1・1万人にまで落ち込んでしまったのです」

 韓国人観光客が増加していた頃は、韓国人による島内不動産の大量購入なども発覚。“安全保障”の観点から懸念を表明する識者も少なくなかった。ところがコロナ禍の発生で、こうした議論は一気にトーンダウンする。

 和多都美神社でトラブルが発生しているのは、コロナ禍が沈静化して再び対馬に韓国人観光客が大挙して押しかけるようになったからだ――このように推測する人は多いだろう。ところが統計を調べてみると、どうも実情は違うようなのだ。

コロナ禍で被害が激減

対馬市は2023年の推定値を発表していますが、韓国人観光客は約11・9万人で往事とは比べものになりません。今、京都や富士山の周辺など、外国人観光客に人気の観光地はオーバーツーリズムが発生しており、テレビのワイドショーは連日のように取り上げています。一方の対馬では、2018年を上回る大量の韓国人観光客が押し寄せ、島内がパンクしているという状況ではありません。にもかかわらず、マナーの悪い韓国人観光客が非常に目立っているというわけです」(同・記者)

 改めて和多都美神社に取材を依頼して“被害状況”を訊くと、事実を明るみにしたテレビ長崎でも、かなり控え目なトーンで報じたことが分かった。

「そもそもコロナ前に韓国人観光客が大挙して押しかけてきた時からひどかったのです。神社に落書きはするわゴミは平気で捨てるわという状況で、困り果てて市役所に相談しました。その結果、『韓国人観光客の団体客は和多都美神社に立ち寄らない』という対応策を決めてもらったのです。しばらくして新型コロナの影響で韓国人観光客が激減すると、あっという間に被害がなくなりました」(和多都美神社)

神社職員が暴力被害

 コロナ禍が沈静化し、再び韓国人観光客が対馬を訪れるようになった。「団体の韓国人観光客は禁止」のルールは守られていたが、今度はマナーの悪い個人観光客が神社を荒らすようになってしまった。

「理解し難いのは、韓国人観光客がお参りをしない点です。同じ外国人観光客でも台湾の方々はお参りをして、御朱印も頼まれます。日本人の観光客と全く同じ行動です。数は少ないですが、欧米人の観光客もお参りはされます。ところが韓国人観光客はお参りをしません。ビールやおつまみ、食事などを持ち込み、境内のあちこちで飲食してはゴミを捨てます。禁煙が定められていてもタバコを吸い、吸い殻を捨てるだけでなく、境内で排泄した韓国人観光客もいました。小さいほうだけでなく、大きいほうも確認しています」(和多都美神社)

 さらに神社の職員が韓国人観光客のマナー違反を注意すると、暴力を振るわれたという。

「もちろん警察を呼びました。私どもとしては徹底した捜査と、逮捕や書類送検を希望していました。ところが暴力を振るった観光客が韓国に戻る日が迫っているということで、警察の意向もあって示談ということになりました。私どもは示談だけは応じたくなかったので、今でも残念な思いです。いずれにしても暴力行為を看過するわけにはいきませんので、韓国人観光客の立ち入り禁止を掲示しました。さらに市内にある別の神社でも、同じように韓国人観光客の立ち入りを禁止したと聞いています。ただ、それでも掲示を無視して入ってくる韓国人観光客はいます」(和多都美神社)

刑法に抵触する可能性も

 韓国人観光客の問題に詳しい大学教授はネット上で、韓国人観光客のマナーの悪さは以前から問題視されてきたとし、特に中高年の団体観光客の迷惑行為が目立つと指摘した。だが和多都美神社は取材に対し「韓国人観光客は若い人でもマナーはひどいです」と言う。

 とにかく神社を訪れながら、お参りもしないというのだ。何のために訪れているのか理解できない。韓国の観光案内は和多都美神社をどのように紹介しているのかという疑問も浮かぶ。神社側は「ここまでされる理由が分からないので、韓国における反日教育の影響なのかな、と考えることもあります」と言う。

 ちなみに日本の刑法は「礼拝所及び墳墓に関する罪」を定めており、神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為を行うと、6カ月以下の懲役、もしくは禁錮、または10万円以下の罰金が科せられる。

 対馬市役所に対応策を訊くと、「韓国と対馬を結ぶフェリーの中で、マナーアップを呼びかける動画を放映したりするなど、様々な施策を講じています」との答えが返ってきた。

デイリー新潮編集部