ある元プロ野球選手の方がこうしたスクールを開いたところ、最初は子供たちが集まったのですが、地元にあるいくつかの少年野球チームからは『あのスクールに行くならチームを辞めてもらう』という通達が出たそうなんです。これにはさすがに元選手も頭を抱えていましたね。別に引き抜いてチームを作ろうとしたワケでもないですし、完全に逆恨みですよ」

 それにより、この元選手は野球スクールを廃業することとなったという。

少年野球の改革は急務だが…

 働き方改革が推進されているように、スポーツの世界も指導者や練習方法を含めて常にアップデートしていく必要はあるだろう。旧態依然のままなら、そっぽを向かれることは火を見るよりも明らかだ。

 だが、改革をしようにも新しい理論や方法を持ち込む人がいなくてはどうにもならないし、それを受け入れる土壌がなければ一向に改革は進まないだろう。

 野球人口が減ることは日本の野球のレベルが沈下していくことにもつながる。今こそプロ、アマ、少年といった垣根を越えた議論をするときなのかもしれない。

取材・文/谷本ススム

【谷本ススム】
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター