パナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S9」の製品サイトで、機能説明に使われている写真の多くがストックフォトの写真を流用していたことが判明し、物議を醸しています。騒動を受けて、パナソニックが謝罪文を発表しました。

LUMIX S9の商品WEBサイトの画像について

(PDFファイル)https://panasonic.jp/content/dam/panasonic/jp/ja/dc/pdf/about_S9_site.pdf



LUMIX S9の製品ページが公開された後、カメラの性能説明に使われている写真がストックフォトのものではないかと指摘されました。



実際に製品ページにある犬の写真を検索すると同一の写真がヒットしたことから、ストックフォトであることがわかります。この犬の写真はLUMIX S9のオートフォーカス(AF)機能の説明で使われていたものですが、何も知らなければ「LUMIX S9による撮影例」と勘違いしてしまいます。



さらに動画撮影のカラーグレーディングを解説するページでもストックフォトの流用が見つかりました。ルックアップテーブル(LUT)を適用することによって撮影した動画の色合いやコントラストが変化するのですが、その説明に使われていたのは実際に撮影された動画のキャプチャーではなく、ストックフォトの写真でした。



また、4K映像の撮影についての説明ページで使われている溶岩の写真も、ストックフォトのものでした。



さらに、LUMIX S9だけではなく、フルサイズ一眼カメラであるDC-S1Rの製品ページにもストックフォトの写真が使われていたことが判明。



レンズの紹介ページでもストックフォトの写真が多く使われているという指摘もされています。



いずれのページにも「画像・イラストは、効果を説明するためのイメージです」と一応書かれていますが、かなり小さい文字で目立たない場所に書かれているため、ページを見た人がストックフォトの写真を実際の撮影例だと勘違いしてしまうのは仕方がない状況。



記事作成時点で、一連の画像は製品サイトから削除されており、写真には「イメージである」という文言あるいは撮影機種名が明記されています。また、パナソニックは一連の批判を受けて、謝罪の声明を発表しました。



以下がその内容。

フルサイズミラーレス一眼カメラ新製品 LUMIX S9 の商品 WEB サイトの画像に関し、お問い合わせを多数お寄せいただいております。

商品WEBサイトで機能やシーンを紹介する画像においてストックフォトサービスから利用許諾を得た画像を部分的に利用しておりました。

クリエイティブを生み出すカメラの商品ページとしてふさわしいかの検討が不十分であったことに加えて、新製品で撮影した写真ではないことへの注釈がお客様にとって、分かりにくい内容と場所での表記となっておりました。

皆様から頂戴したご指摘を真摯に受け止め、認識を改めて、分かりやすい内容にすると共に、ユーザーの皆様に寄り添ったコミュニケーションを心がけ、カメラメーカーとして、皆様のご期待にお応えできるよう、LUMIX サイト内容の見直しについて協議してまいります。

今回、このような事態となり、日頃より当社商品をご愛用頂いている皆様並びに、LUMIX ファン、カメラファンの皆様に、多大なご心配をおかけし、また、ご不安を与えてしまった事、大変申し訳ありません。

関係者一同、より真摯に皆様に向き合い変革をしていく事をお約束し、気持ちを新たにしてまいります。


ただし、パナソニックはストックフォトの写真を使うようになった経緯や、LUMIX S9以外の製品サイトでもストックフォトの写真が使われている件については説明していません。