ADSL接続にLANケーブルではなく「濡れたひも」を使って通信に成功した猛者が登場
敷設された電話回線を流用して通信ができるインターネット回線である「Asymmetric Digital Subscriber Line(ADSL)」には、一般的に銅線やアルミニウム線を使ったADSLケーブルが用いられます。しかし、ADSLの信号の伝送は濡(ぬ)れたひもでも可能なことを、エンジニアのRevK氏が実証しました。
RevK®'s ramblings: It's official, ADSL works over wet string
RevK®'s ramblings: Please upgrade me to ADSL over wet string
https://www.revk.uk/2017/12/please-upgrade-me-to-adsl-over-wet.html
ADSLは、複数の周波数帯域を使用してケーブルを介して信号を伝送する技術です。イギリスのISP・Andrews&Arnoldに勤務するRevK氏は、これまで理論的には可能だと言われてきた「ADSLの信号伝送は濡(ぬ)れたひもでも可能」といううわさを確かめるべく、実験を行いました。
そこで、インターネット接続とVoIP技術を提供するAndrews&Arnold Ltdに務めるRevK氏は、実際に濡れたひもを使ったADSL通信の実験を実施しました。
RevK氏はまず、塩水で濡らしたひもをクリップに結びつけ、RJ11に接続。
約2m離れたもう一方をブロードバンドインターネット接続を提供する「DSLAM」に接続しました。
通信速度を測定すると、上り0.06Mb/s、下り3.5Mb/sという速度で通信していることが確認できました。
一方でRevK氏は「私たちの実験では、完全に通信が失われないように、だいたい30分ごとにひもを濡らす必要があり、その際は通信が遮断されました」と述べ、商業的に提供できる製品ではないことを強調しています。
なお、ぬれたひもでの実験以外にも、これまでには有刺鉄線をイーサネットケーブルとして用いた実験も実施されています。