半導体製造業界で中国のSMICが3位に躍進したと調査会社が報告
調査会社Counterpoint Researchが、2024年第1四半期のファウンドリ(半導体製造)業界について報告しました。業界のシェアはここ1年、順位の変動がなかったのですが、2024年第1四半期は中国のSMICがアメリカのGlobalFoundriesと台湾のUMC(聯華電子)を追い抜き、3位に浮上しています。
AI Demand Stands Strong Amidst Seasonal Downturn and Slower Recovery for Global Foundry Industry in Q1 2024
China's SMIC is now world's third-largest chip foundry: Counterpoint
https://www.cnbc.com/2024/05/23/chinas-smic-is-now-worlds-third-largest-chip-foundry-counterpoint.html
以下は、Counterpoint Researchが示した「2023年第1四半期から2024年第1四半期までのファウンドリ市場のシェアランキング」です。ここ1年、台湾のTSMCが首位を固め、2位以下に韓国のSamsung、GlobalFoundries、UMC、SMIC、中国のHuahong(華虹)と続いてきました。しかし2024年第1四半期はSMICが上位にいたGlobalFoundriesとUMCを抜き、3位に浮上しています。なお、Samsungの数字はファウンドリ部門の外部顧客向け販売数を抽出した推計数を用いているとのことです。
Counterpoint Researchのレポートによると、SMIC製チップは自動車、スマートフォン、コンピューター、IoTなどの分野で利用されており、中国での需要が回復したことで収益が伸び、シェアが拡大したとみられます。
シェアを棒グラフで示したものが以下。1位のTSMCが6割近くを占めていて、2位のSamsungが1割強、3位から下のメーカーは1割以下のシェアで競っている状態です。
第2四半期もSMICは好調を維持するとみられていますが、一方でGlobalFoundriesも第2四半期は増益の予想となっていて、このままSMICが3位に定着するかどうかはまだ不明です。