位置情報共有システム使用せず 海自ヘリ2機墜落事故【徳島】
小松島航空基地所属のヘリコプターを含む、海上自衛隊のヘリ2機が訓練中に墜落した事故で、2機の間で位置情報などを共有するシステムを使用していなかったことがわかりました。
(リポート)
「ヘリコプターが墜落した海域の周辺で護衛艦が捜索活動をおこなっています」
この事故は、4月20日夜、海上自衛隊の小松島航空基地と長崎県の大村航空基地に所属する哨戒ヘリコプターが、伊豆諸島の鳥島の東の海域で墜落したものです。
当日、2機が実施していたのは潜水艦を探す訓練です。
それぞれのヘリから海中にソナーをおろし、音波によって潜水艦の位置を特定していくというものです。
小松島航空基地第24航空隊で幕僚を務めた、牟岐町の危機管理監、白木健治さんによると・・・。
(元第24航空隊幕僚・白木 健治さん)
「水上艦艇、いわば船から飛び上がりまして移動して、潜水艦がいるであろう存在海域で
ブイをおろします。そのブイから音を出して、その音をひろって(潜水艦の)方向を決めていく」
「両方が止まった状態でやるときもありますし、方向が変わればまた移動していく」
訓練では、互いの位置情報などを無線で共有する「僚機間リンク」と呼ばれるシステムが使用されますが、防衛省関係者によりますと、今回の訓練ではこの「僚機間リンク」が使用されていなかったということです。
(白木 健治さん)
「そうですねぇ。通常ヘリコプターが訓練する時は、僚機間リンクでお互いどの位置でいるかは
知っているもんだとは思うんですけども」
「(墜落原因は)考えられることはたくさんありますので、これだというのは言いづらい」
このシステムを使わずに訓練を行うこともあるということですが、その場合も目視やレーダー情報の確認など、複数の安全対策を行うことになっていて、事故調査委員会が詳しい事故原因を調べています。
現場の水深はおよそ5500メートル。
23日は、アメリカ軍の哨戒機1機も捜索救難活動に参加することを発表されましたが、行方不明者の発見には至っていません。