東海環状道「2026年全線開通」に暗雲? 県境トンネル工事が難航中 一部で「開通が半年遅れる」可能性も「一日でも早く」地元は期待の声
2026年に全線開通予定の「東海環状道」
全通をめざして残り区間の工事が進められている、東海環状自動車道(東海環状道)。その進捗を話し合う会議が、2024年3月22日に開かれました。
その場で、全通時期について、何やら不穏な情報も上がっています。現状はどうなっているのでしょうか。
東海環状道は、名古屋近郊をぐるりと周回し、放射状の「新名神」「名神」「東海北陸道」「中央道」をそれぞれ横軸でつなぐ高速道路です。
【画像】超便利!? 「東海環状道」最後の未開通区間のルートと工事状況を見る(地図と写真)(30枚以上)
東海環状道が全通すれば、東海地方を通過する交通は、名古屋中心部をはじめとする混雑区間を迂回してスムーズに通行することができます。
たとえば、名神から東海北陸道へ乗り継ぐ場合、今までは一宮JCTの超渋滞ポイントを通過するしかありませんでした。しかし東海環状道を使えば、養老JCTから美濃関JCTへ、バイパスルートを利用することができます。これは、一宮JCT周辺の交通分散にも効果を発揮すると期待されています。
さて、全通まで残りの未開通部は、西側の「3つの工区」です。南から順に「大安IC〜北勢IC」「北勢IC〜養老IC」「大野神戸IC〜山県IC」です。開通予定はどうなっていて、無事に予定どおり開通できそうなのでしょうか。
●大安IC〜北勢IC(開通予定2024年度→予定どおり)
順調に工事が進んでいるとのこと。このままいけば、予定どおり2025年3月までには開通できそうです。
●北勢IC〜養老IC(開通予定2026年度→工事が難航中)
開通予定への影響は不明ですが、最大の難関である、県境の約4700mの「養老トンネル」が難航しているようです。会議資料によると、「避難坑で相当量の湧水が発生し」ているそうで、これから専門家の意見をふまえ対策工法を検討するとのことです。
●大野神戸IC〜山県IC(開通予定2024年度→南半分のみ「半年程度」延期?)
北半分の山県IC〜糸貫ICは順調で、このままいけば、予定どおり2025年3月までには開通できそうです。いっぽう、南半分の糸貫IC〜大野神戸ICでは、川を渡る橋の下部工工事で、現地で玉石が発生し、工法を変更したことで「工程に遅延が生じて」いるとのこと。開通は「最大で半年程度遅れる可能性」としています。
もちろん、地元である岐阜県と三重県は、全通に大きな期待を寄せています。会議では両県とも「出来る限り早い開通をお願いしたい」「一日も早い開通をお願いしたい」など、激励の言葉をかけていました。