なぜクルマから「謎の液体」出る!? 出たら「ヤバい液体」の正体は何? 出てきて「問題ない液体」も
「えっ…まさかガソリン!?」クルマの下に漏れた液体の正体とは
クルマから落ちたと思われる液体が、車両の下へシミのように広がっていることがあります。油分を含んでいる場合もあり、非常に気になるところ。
果たしてクルマから漏れる可能性のある液体とは、一体何なのでしょう。そしてどう対処すれば良いのでしょうか。
まず、エアコンのドレーンからの「排水」が挙げられます。
【画像】「えっ…!」これが高速道路で「絶対やってはいけない」行為です!(30枚以上)
排出される箇所は助手席の下あたりで、エアコンを使用した際にエバポレーター(熱交換器)で除湿された水分が外部へ排水されたものです。
またマフラー排気口からも「水」が排出されることがありますが、これは排気ガスに含まれる水分がマフラー内に溜まってできた水で、エンジンの排気圧力でマフラー排気口から垂れたもの。
この2箇所から水が排出されるのは問題ありません。
ちなみに、主にトヨタのハイブリッド車が、加速時にマフラーからプシャーっと水を吹き出すようすを見かけることがあります。
これは、加速したことで、バッテリー走行からエンジン動力も合わせたハイブリッド走行へ移行し、エンジンが勢いよく回ったことでマフラー出口から水が噴き出すように見えたものであり、こちらも問題はありません。
このエアコンドレーンやマフラー排気口の2箇所以外から排水以外は、要注意です。
赤や緑、青などの色がついている液体や、黒や茶色で粘り気がある液体がクルマから漏れていたら、どこかがおかしいと考えてください。
色や状態が判別できない状況でも、上記2箇所と明らかに違う場所から排出されていたら、「出てはいけないところから出ている液体」と考えていいと思います。
液漏れが、エンジンルームの前側やフロントグリル付近から漏れていて、なおかつ赤や緑、青などの色がついた液体の場合、エンジンの冷却をするクーラント液である可能性が高いです。
クーラント液の成分は90〜95%がエチレングリコールで、残りは防錆剤や水、そして他の液体と識別するための染料などです。
クーラント液が漏れ出てしまうと、エンジンがオーバーヒートする原因となるため、クーラント液が漏れているかもと思ったら、すぐにエンジンルームを開けてリザーバータンクの目盛りを確認し、残量が下限を下回っていないかを確認してください。
クーラント液には有毒物質も含まれていますので、屋内ガレージで発見した場合は、念のため換気も必要です。
重大なトラブルになるケースも! 慎重に取り扱いたい「液体」とは
またエンジンルームの真下から、黒や茶色の液体が漏れているなら、それはエンジンオイルである可能性があります。
すぐにオイルゲージでエンジンオイルの残量をチェックして下限を下回っていないかを確認し、減っているようならば、クルマを動かさずに、JAFなどのロードサービスなどへ助けを求めましょう。
残量が不足していなくても、液漏れがエンジンオイルである可能性があるならば、早めにディーラーやカーショップなどの専門店でみてもらうようにしてください。
注ぎ足しながら、だましだまし乗る人もいるようですが、オイル漏れは放っておいて直るものではありません。
後輪駆動車や4WDの場合、ミッションオイルもしくはデフオイルが、シフトレバー下や、後輪車軸左右の中央などから漏れることもあります。
エンジンオイルもミッションオイルもデフオイルも、オイル特有のニオイがあるため、比較的発見しやすいですが、地面に滴り落ちずに滲んでいる程度の場合など、気づくことが難しい場合もあります。
一方、タイヤ付近からの液漏れは、油圧式ブレーキを作動させるために使用するブレーキフルードの可能性があります。
ブレーキフルードが漏れると、ブレーキペダルの踏み代が深くなり、ブレーキが利きにくくなります。
ブレーキの異常は重大な事故の原因に直結しますので、いつもとブレーキの踏みごたえが違うな、と感じたら、ディーラーや専門ショップに早めにみてもらうようにしてください。
ちなみに新品時のブレーキフルードは、一般的に透明に近い黄色をしていますが、劣化が進行すると黄色が濃くなり、その後茶色、最後には黒へと変色します。
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そして、クルマから一番漏れてはいけない液体は、ガソリンなどの燃料です。
ガソリンは特有の強烈なニオイがしますので、すぐに判別できます。そう、ガソリンスタンドで嗅ぐあのニオイです。
燃料漏れを発見したら、絶対にクルマを動かさず、急いでクルマから離れ、ロードサービスや最寄りの自動車整備工場などへすぐに連絡してください。