マジで最速の「往診車」発見されるッ! 黄色ナンバー輝く“スポーティ仕様”なぜ?
いろいろな意味で本気度が凄い往診車両
外来の必要な患者が、何らかの理由で通院できない場合に重宝するのが往診です。
その往診の際に活躍するのが「往診車」で、医師が医療器具や薬品を積み込んで患者の自宅に伺う場合に利用されますが、その往診車に珍しいクルマが見つかりました。
そのクルマは「いしばし脳神経内科クリニック」で利用されているダイハツ「ミラ(L275型)」で平成28年式の商用バンになります。
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ミラは1980年に誕生した軽自動車で、高い経済性と実用性を兼ね備えたモデルとしてダイハツの代表モデルとして支持を得ています。
L275型はミラの最終モデルにあたり、660ccのエンジンからは最高出力58psの高出力と26.0km/Lの低燃費を誇ります。
そのミラをベースにいしばし脳神経内科クリニックでは、往診車としてだけでなく、耐久レース用としても利用しています。
そのためクルマはナビ、ラジオやスピーカー以外にもエアバッグや後部座席まで取り外されています。
さらに足回りや給排気系のチューンだけでなく、ロールバーまで組み込まれる本格仕様です。
どういった経緯でこのようなクルマの取り扱いに至ったのか、いしばし脳神経内科クリニックの院長 石橋 哲氏は以下のように話します。
「東京勤務のころは、カーシェアがメインで自家用車を持っていませんでした。
その後、地元の埼玉県深谷市にクリニックを開院することになりましたが、郊外ということあり車が必要でした。
エリーゼ、S660など物色していたところ、付き合いのある社長から近所の本庄サーキットで行われている軽自動車耐久レースに出場しましょうと誘っていただき、レース基準を満たすNA式の軽自動車を自家用車として購入せざるおえなくなったのがきっかけです」
また、こだわったカスタムポイントについて、石橋氏は以下のように話します。
「千葉県木更津にあるカーカスタムショップ『R and R factory』さんにお願いしながら、吸排気や足回り、ロールケージなどを軽自動車耐久レース用に改良しています。
シートはレカロシートPRO RACERというフルバケットシートを搭載していて、軽自動車は耐久レースといえどもほとんどみたことがありません。
また、ボンネットやリアガラスに地元深谷市のゆるキャラである『ふっかちゃん』が飾られています」
実は耐久レースでは、同じエンジンを積んでいるダイハツ エッセの方が車重が軽く有利なようです。
その他にもホンダ「トゥデイ(JW3)」やスズキ「アルト(HA23)」など、ミラより車重が軽い車が多く、ミラを使用しているチームは少数派です。
しかし、いしばし脳神経内科クリニックでは、L275Vの可愛いフォルムが気に入っていることもあって、あえて導入したようです。
また、当初は往診車にS660の特別車である「Modulo X(バージョンZ)」も発注していましたが、開業までに納車されないことがわかり、ミラが自家用車兼往診車となりました。
開院して約3年が経過したにも関わらず、軽快なコーナーリング性能や耐久レースの戦友としての愛着や可愛いフォルムが愛おしくて、ずっとミラL275Vで往診しているそうです。
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実際に往診車で2021年の6月からサーキット走行の練習を始め、2022年より本庄サーキットで開催される、本庄軽one耐久シリーズ(K-Oneクラス)に毎回出場していているとのことです。