ぜんぶ分かる? AT車のシフトレバー「2」「S」「B」「L」どんな意味? 一度も使用しない人も…!? いつ使うモノなのか

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シフトレバーの「アルファベット」の意味とは

 AT車のシフトレバーを見ると、そこには「数字」や「アルファベット」が並んでいます。
 
 主に使用する「D」や「R」「P」の意味は多くの人が把握していると思いますが、では使用頻度の少ない「2」や「S」「L」および「B」は何を表しており、どんなときに使うものなのでしょうか。

車種によって「S」や「B」という表記もある

 AT車は、通常走行する時はレバーを「D(ドライブ)」に入れて前進。後退バック時には「R(リバース)」に入れてバックギアに切り替え、駐車時には「P(パーキング)」でギアをパーキングロックポールという部品で固定しクルマを動かないようにします。

【画像】「えっ…!」これが斬新すぎる「ATシフト」です!(14枚)

 しかし問題は、先述した「2」や「S」「L」「B」です。

 どのような意味か知らないのはもちろん、そもそも「そこにシフトを入れたことがない」という人もいるかもしれません。

 まず「2」および「S」ですが、これの意味どちらも「セカンド」で、2速ギアにシフトを切り替えるもの。メーカーによっては「セカンド」を意味する「S」の表記となっている場合があるものの、意味するところは同じです。

 次に「L」ですが、この意味は「ロー」で、1速、つまり“ローギア”へと切り替えるためのもの。力強い加速が必要な時や、強いエンジンブレーキを掛けたいときに使います。

 また「B」は「ブレーキ」という意味で、先ほどのローと同じくエンジンブレーキを強く掛けたいときにシフトを入れます。

 そのほか「N」という表記のあるクルマも存在します。これは「ニュートラル」を意味し、エンジンの力が全くタイヤに伝わらない状態となります。

「N」はパーキングと異なり、タイヤやギアにロックがかからないため、地面に勾配があればクルマが勝手に動いてしまいますので注意が必要です。

 このように、一般的なAT車のシフトレバーは「D」「R」「N」「P」を基本として、ここに「2」「S」「L」「B」のいずれかを加える形で構成されていますが、メーカーやクルマのタイプによって異なるので、普段とは違うクルマに乗り換えた際は戸惑うかもしれません。

では「2」「S」「L」「B」の使いどころは?

 そんな「2」「S」「L」「B」のシフトですが、使わなくても走行することができるため、どのようなタイミングで使用するのか分からないという人も多いでしょう。

車種によって「2」や「L」という表記もある

 これらはいずれも任意で低いギアに切り替えるもので、先述のように「エンジンブレーキを掛けたいとき」に使うのが一般的。

 例えば、長い下り坂を走行する際、フットブレーキだけを使っていると、ブレーキが過熱して正常に機能しなくなる「フェード現象」や「べーパーロック現象」が発生することがあります。

 このような事態を防ぐため、「2」「S」や「L」「B」に切り替えエンジンブレーキを効かせることで、フットブレーキの負担を減らしつつ、速度を落とすことが可能になるのです。

 また、減速時だけでなく加速時にもこれらのシフトが役立ちます。

 登り坂を走行中、ギアが自動的に上がると加速が鈍くなることがあります。そんな場面ではシフトを「2」や「L」などに切り替えてギアを落とせば、強い加速力を取り戻すことが可能。

 このようにAT車のシフトを上手く切り替えれば、下り坂や登り坂においてスムーズに走行することができるのです。

※ ※ ※

 一昔前のAT車のシフトレバーは「P」「D」「R」「N」「2」「L」のようにたくさんのアルファベットが並んでいましたが、近年のモデルでは「P」と「N」がスイッチタイプになったモデルなど、シフトの高性能化とともに簡素化が進んでいます。

 今後このままクルマが進化すれば、近い将来は「D」と「R」のみといった、よりシンプルなシフト構成になるかもしれません。