「洗いたいのに…」 なぜ「花粉」は拭いちゃダメ? どうすれば良いの? 洗車のプロが伝授する方法とは

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 クルマについた花粉は、そのままにしておくとダメージの原因になります。
 
 それでは、愛車を傷つけない洗車方法やクルマの花粉対策はどのようなものなのでしょうか。

花粉はどうやって取り除くの?

 春といえば花粉のシーズンでもあります。例年、3月から5月の間にスギやヒノキの花粉が飛びますが、4月中旬がそのピークといわれています。
 
 クルマのボディでも目立つようになりますが、じつはこの花粉、クルマを汚すだけでなく、大きなダメージを与えてしまいます。

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 花粉汚れについて、洗車専門店「東京AUTO洗車」の担当者は「花粉は窓に花粉ジミというものをつけてしまったり、花粉を適当に拭いてしまうとクルマを傷つけてしまうということがあります」と話しています。

 花粉は雨で濡れるとペクチンという成分が出ます。このペクチンは非常に粘着質で、タオルで拭った程度ではとれません。

 さらに、そのままにすると塗装にシミをつくったり、浸透してしまうと内側から引っ張り塗装を変形させたりすることもあります。

 また、花粉が付着したままワイパーを動かすと、窓ガラスに削ったような傷がつく場合もあります。

 このように、花粉はさまざまな場所にダメージを与えるため、ボディの状態に注意しながら必要に応じて洗車をすることが大切です。

 では、どのように洗車すればいいのでしょうか。

 花粉がついたときの洗車のポイントについて、前出の担当者は次のように語ります。

「まずは水でしっかりと花粉を流してください。

 花粉はベタベタしていて水だけで全てを流し切ることができないので、シャンプーを使って、汚れを浮かして落としてください」

※ ※ ※

 いきなりタオルなどで花粉を拭き取ろうとすると、摩擦で塗装やコーティング傷をつける原因になります。そのため、まずは大量の水で花粉を洗い流すことが大切です。

水で洗う&熱を加える…が花粉落としのコツ

 それでは、具体的にどのように洗車するといいのでしょうか。

 最初は、ホースなどでクルマ全体に水をかけ、大まかに花粉を洗い流します。

 こびりついた花粉を落とすときは、強く擦ると傷がついてしまうので、力を入れすぎないことがポイントです。

 水洗いの際に、もし、高圧洗浄機を使えればより花粉を落としやすくなります。また、洗車機を使う場合も、先に水洗いしておくと効果的です。

 次に、シャンプーで洗うときは、花粉を落としきるために、たっぷりと泡立てるのがコツです。

 バケツで泡立て、時間をかけて洗うとよいでしょう。ボディ全体を泡で覆ったあと、少し時間をおくと花粉が浮いてきて落としやすくなります。

 シャンプーを流し終わったら、水垢やシミを防ぐために、ボディを拭き上げることが大切です。このとき使う布は、目の細かいマイクロファイバークロスなどをおすすめします。

 また、花粉のペクチンと塗装が結合すると、洗車してもシミとして残ることもあります。この場合は、シミ落としをするとよいでしょう。

 ペクチンは熱に弱い性質があります。そこで、シミの部分をドライヤーなどで温めることで、比較的簡単に花粉を落とすことが可能。工業用のヒートガンを使う場合は、塗装を溶かさないよう、熱の加えすぎには注意が必要です。

 さらに、お湯をかけることで押させる場合もあります。しかし、熱湯をかけると塗装へダメージを与えてしまうので、50度から70度程度のお湯を使うのが適当です。

 熱を加えても取れない花粉シミには、クリーナーを使う方法もあります。

 鳥のフンや虫、花粉などの汚れに特化したクリーナーが、カー用品店などで手に入ります。また、ペクチンはタンパク質なので、タンパク質を除去するクリーナーであれば「花粉」の表記がなくてもシミが落ちる可能性があります。

 クリーナーを使うときは、柔らかい布で花粉シミの部分を優しく拭き、別の布で乾拭きするとよいでしょう。

たかが「花粉」されど「花粉」

 このように、ついてしまった花粉は落とすしかありません。それでは、ほかに花粉を防ぐ方法はあるのでしょうか。

 花粉の対策について、前出の担当者は次のように語ります。

「花粉にさらさないように屋根のあるところに駐車することや、カバーをかけることで車につく花粉の量は減らせます。

 また、コーティングやワックスがけをすることで、花粉がついた後の掃除は楽になると思います。

 ですが、完全に花粉を防ぐ方法はないので、汚れたらこまめに洗ってあげてください」

※ ※ ※

 花粉はボディにつくだけでなく、車内にも舞い込みます。その舞い込んだ花粉がボディにつく可能性もあるので、車内も丁寧に掃除するとよいといわれています。