所要時間「66分短縮」!? 岐阜〜福井の短絡ルート「冠山峠道路」さっそく効果大! 約5kmの長大トンネルで恐ろしい山道をショートカット「冬に通れるのありがたい」
岐阜〜福井の最短経路
国土交通省 近畿地方整備局は2024年3月21日(木)、福井県池田町と岐阜県揖斐川町を結ぶ国道417号「冠山峠道路」について、開通して約4か月の「開通後の効果」を発表しました。
険しい山地を長大トンネルでぶち抜いたこの新バイパス道路、どこまで便利になったのでしょうか。
国道417号は岐阜県大垣市を起点に、福井県鯖江市を経て、南越前町に至る一般国道です。
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このように、岐阜〜福井を最短距離でむすぶネットワークとなるよう期待された路線ですが、岐阜・福井県境では冠山峠に阻まれ、未開通のまま長らく分断状態となっていました。
かわりに山を越えていたのが「林道冠山線」でしたが、狭隘かつ急勾配・急カーブが続く難所で、冬季を中心に約半年間の通行止めが行われていて、おおよそネットワークとして機能を果たしていませんでした。
ここに延長4834mの「冠山トンネル」を中心とする短絡道路を整備するのが「冠山峠道路」ですが。2003年の事業化から20年目の2023年11月19日、悲願の開通を迎えました。
今回の発表によると、冬季の通行状況は、いままで「完全通行不可」だったのが、今冬の通行止めは大雪警報の出た「わずか3日」と、見違えるほどに改善。
平日の交通量は昼間12時間で約800台。休日は約530台です。もちろん、開通前の今頃は完全封鎖のせいで「0台」だったのは言うまでもありません。
両県間の所要時間の変化は、隣り合っていた揖斐川町から池田町の移動が、「米原・敦賀経由」にくらべ、149分から83分と、1時間以上も短縮。ほぼ半分の時間となっています。
揖斐川町(岐阜県)も池田町(福井県)も「県の果ての地」となっていましたが、「広域ネットワークの途中地点」になったことで、訪問人口が激増。
揖斐川町では道の駅「星のふる里ふじはし」の来場者数が約1.8倍に増加し、県外客も1.6倍に。池田町では、まちの駅「こってコテいけだ」で全体客が約1.3倍になり、県外客に至っては「約9倍」というものすごい増加になっています。
開通後通行したドライバーからも、SNS上などで「そもそも冬に普通に通れることがありがたすぎる」「待ってた」「恐ろしい林道を通らなくて済むの助かる」とコメントが上がっていました。
なお、福井県内に入ってからもしばらく谷沿いの区間が続きますが、その途中経路の国道476号では今年1月、「白粟バイパス」が開通。従来のクネクネ道が、0.9kmの快適な直線ルートとなっています。さらに武生方面も、クネクネ山道に「板垣坂バイパス」が2024年度中に開通する予定です。