【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,714.77  ▼190.89 (3/15)
NASDAQ: 15,973.17  ▼155.36 (3/15)

1.概況

先週末の米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株を中心に売りが出て続落となりました。96ドル安でスタートしたダウ平均は直後にプラスに転じましたが、22ドル高で伸び悩むとマイナスとなり昼過ぎには287ドル安まで下落しました。その後下げ渋ると持ち直しましたが、引き続き軟調に推移すると結局190ドル安の38,714ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も155ポイント安の15,973ポイントと3日続落となりました。

2.経済指標等

3月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス20.9と前月から低下し市場予想も下回りました。3月の米ミシガン大学消費者態度指速報値も76.5と前月から低下し市場予想を下回りました。一方で2月の米輸出物価指数は前月比0.8%上昇し市場予想を上回りました。2月の米輸入物価指数は前月比0.3%上昇となり市場予想と一致しています。2月の米鉱工業生産指数も前月比0.1%上昇し市場予想を上回りましたが、設備稼働率は前月から横ばいの78.3となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、情報技術とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスが1%以上下落しました。一方でエネルギーや公益事業などの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が下げました。そのなかでもセールスフォース[CRM]が3%近く下落したほか、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とマイクロソフト[MSFT]も2%以上下げました。シスコシステムズ[CSCO]とIBM[IBM]、ビザ[V]、コカ・コーラ[KO]も1%以上下落しています。一方で7銘柄が上げ、スリーエム[MMM]が2%近く上昇し、キャタピラー[CAT]とJPモルガン・チェース[JPM]も1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力はハイテク株が軟調でグーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]、ネットフリックス[NFLX]が1%以上下げています。また、決算を発表したソフトウエアのアドビ[ADBE]が3-5月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことなどで急落し13%を超える下落となっています。同じく決算を発表した業務管理プラットフォームを手掛けるスマートシート[SMAR]も2-4月期の売上高の見通しが市場予想を下回ったことで7%近く下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%高い4.31%となりました。ドル円は円安となり149円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。日銀が18-19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除し、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)も撤廃する見通しになったと伝わるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)

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