小樽〜長万部 全通まで事業化「あと2工区」に!? 「人気急上昇エリア」が空港と直結! 廃止のJRに代わって「倶知安〜ニセコ」新たに建設スタートへ
「人気急上昇中」ニセコまで事業化
国土交通省は2024年3月1日、2024年度に道路整備事業として新規事業化を果たす路線について、候補を選定しました。今後、委員会等で最終的な判断が行われ、事業化が最終決定されます。
その中に、北海道横断自動車道のうち「蘭越倶知安道路」工区が含まれています。ここが完成すればどうなるのでしょうか。
この区間は、小樽・余市から倶知安を経由して、道央道の黒松内JCTまでつなぐ建設ルートの一部です。
【画像】もうここまで完成!?「小樽〜長万部」高速道路ルートと開通状況を見る(地図)
ここには、JR函館本線の小樽〜長万部、いわゆる「山線」が通っています。しかし、将来「北海道新幹線」が札幌まで開業すると同時に、廃止される予定です。
そのかわりに、函館〜長万部〜倶知安〜余市〜小樽〜札幌という道西ネットワークを担うこととなるのが、この高速道路です。
現在、北側から徐々に延伸中です。まず札樽道の延長線として、2018年に余市までが開通。その先、倶知安までが事業化済みです。そのなかで仁木までが2024年度内に先行開通の予定です。南側からは、道央道の黒松内JCTから1区間だけ、黒松内ICまでの5.1kmが先行開通しています。
さて今回、倶知安から先が、さらに事業化を果たすことになります。2023年12月に蘭越まで約23kmの概略ルートが決定。それが全部事業化するのではなく、今回は途中のニセコICまで(延長約12km)となります。途中には「比羅夫IC(仮)」が設置されることになっています。
ニセコは現在、リゾート地としてインバウンド需要が爆発している、北海道内でもホットな地域のひとつ。しかし肝心の「新千歳空港」からのアクセスに難があります。直線距離上には山岳地帯が広がっていて、どうしても札幌・小樽を経由せざるを得ないからです。
そこに高速道路を整備することで、可能な限りスムーズなアクセスが実現することとなります。試算では、新千歳空港〜ニセコの所要時間は、今の168分から136分へ、38分もの短縮が見込まれています。
今回の倶知安〜ニセコの事業化で、「小樽〜長万部」の全通まで、未事業化区間は残り2工区を残すのみとなります。ニセコ〜蘭越はあと事業化を待つだけ、蘭越〜黒松内は「当面現道を活用する」という扱いになっており、優先順位はまだ高くありません。