知らないと恥ずかしい? 給油ノズルの『太さ』が違うワケ! 知れば“納得”の理由とは

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「えっ…!」 給油ノズルに違いがあった?

 最近はセルフのガソリンスタンドが増加し、自分でクルマの給油をするドライバーも多くなっています。
 
 ガソリンスタンドの給油ノズルは油種によって違いがありますが、これは一体何故なのでしょうか。

給油ノズルの太さが違う理由とは

 2023年8月に一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターが公表した「セルフSS出店状況調査結果について」という資料によると、2023年3月末現在、セルフのガソリンスタンドは全国で1万721店舗あり、年々増加しています。

【画像】「えっ…!」これが給油口の 「意外な構造」です(23枚)

 セルフスタンドは店員によるサービスがない分ガソリン価格が安い傾向にあるほか、自分で好きな量だけ給油ができる、店員とのやりとりをしなくて済むといった理由から利用者も増えているといえるでしょう。

 油種にはハイオクガソリン、レギュラーガソリン、軽油の3種類があり、車両に適したものを給油します。

 ハイオクガソリンとレギュラーガソリンは「オクタン価」と呼ばれる、エンジン内部での異常燃焼などの起こりにくさを示す数値に違いがあます。

 ハイオクのオクタン価は96.0以上、レギュラーのオクタン価が89.0以上(日本工業規格)と決まっています。

 もしハイオクガソリン仕様車・専用車にレギュラーガソリンを給油した場合、本来の燃費や加速性能が上手く発揮されなかったり、クルマの故障や車両火災の原因になったりする可能性があります。

 さらに過去には「軽自動車だから軽油」と勘違いをして、誤給油をしてしまう事例も発生しています。

 軽油は軽自動車ではなくディーゼル車用の燃料であり、ガソリン車に誤って軽油を入れると加速が鈍くなり、軽油とガソリンの混合比によってはエンジンが止まってしまいます。

 一方、ガソリンをディーゼル車に入れた場合もエンジンが止まり、車両の部品交換を余儀なくされるケースがあります。

 いずれにしても、クルマのメーカーで指定された油種を入れるよう注意すべきといえるでしょう。

 このような油種の間違いを防ぐため、ガソリンスタンドの給油ノズルの色は法令によりハイオクガソリンが黄色、レギュラーガソリンが赤色、軽油が緑色と決まっています。

 また、ノズルの上部にも分かりやすく「ハイオク」、「レギュラー」、「軽油」と表示されています。

 それらに加え、ノズル自体にも誤給油を防ぐ工夫がされており、軽油用の給油ノズルはガソリン用のノズルより太く設計されています。

 そのため、仮に軽油用のノズルをガソリン車の給油口に差し込もうとしても奥まで入りません。

 ノズルを差し込んだ際に違和感があれば、すぐに油種を確認することが大切です。

 特に家族のクルマやレンタカーなど、普段運転しないクルマに給油をする際にはいつも以上に注意しましょう。

 なお、総務省消防庁が公表している文書「セルフスタンドでの給油に関する注意事項」では、次のような手順で給油をおこなうよう指導しています。

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 1. 給油ノズルを、止まるところまで確実に差し込む。
 2. 給油ノズルのレバーを、止まるところまで確実に引く。
 3. 自動的に給油が止まったら、それ以上の給油はしない。
 4. 給油後は、給油ノズルを確実に元の位置に戻す。
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 給油ノズルの先端には検知口と呼ばれる穴が開いていますが、クルマの給油タンクが満タンになるとその穴が塞がり、センサーが満タンを検知して給油が自動的に停止します。

 その後にガソリンを継ぎ足そうとすると、ガソリンが吹きこぼれて顔や体などにかかってしまう可能性があります。

 ガソリンは引火しやすい性質があるため、給油が停止したらそれ以上の給油はしないように気をつけましょう。

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 誤給油を防ぐため、油種によって給油ノズルの色や太さなどが異なります。

 またガソリンは本来無色透明ですが、灯油と区別がつきやすいようオレンジ系の色に着色されています。

 クルマの故障や事故を防ぐために、さまざまな工夫がされているといえるでしょう。