(朝)先週末の米国市場は高安まちまち ダウ平均とS&P500が連日で史上最高値を更新 日本市場も日経平均が連日で史上最高値を更新か
【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 39,131.53 △62.42 (2/23)
NASDAQ: 15,996.82 ▼44.80 (2/23)
1.概況
22日の米国市場は画像処理半導体のエヌビディア[NVDA]の急伸を受けて半導体株やハイテク株を中心に買いが入り大幅上昇となり、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。232ドル高でスタートしたダウ平均は取引終盤に537ドル高まで上昇した後伸び悩みましたが、その後も高値圏で堅調に推移すると結局456ドル高の39,069ドルで取引を終え続伸となりました。ダウ平均は初めて39,000ドル台に乗せ、12日に付けた史上最高値(38,797ドル)を更新しています。また、S&P500株価指数も105ポイント高の5,087ポイントと続伸となり、15日に付けた史上最高値(5,029ポイント)を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も460ポイント高の16,041ポイントと4日ぶりに反発しました。一時16,061ポイントまで上昇し、2021年11月19日に付けた史上最高値(16,057ポイント)を上回る場面もありました。
2.経済指標等
22日に発表となった先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比1万2000件減の20万1000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反し改善しました。また、2月の米製造業PMI速報値も51.5と前月から上昇し市場予想を上回りました。1月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比3.1%増の400万戸となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
22日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が上げ、情報技術が4%を超える上昇となり、一般消費財・サービスも2%以上上げました。コミュニケーション・サービスと金融、資本財・サービス、ヘルスケアも1%以上上昇しています。
先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や素材、資本財・サービスなどの7業種が上げました。一方でエネルギーや一般消費財・サービスなどの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
22日の米国市場でダウ平均構成銘柄は22銘柄が上げました。そのなかでもセールスフォース[CRM]が3%を超える上昇となったほか、ビザ[V]とIBM[IBM]、マイクロソフト[MSFT]も2%以上上げています。一方で8銘柄が下げ、インテル[INTC]が1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が堅調でアマゾン・ドット・コム[AMZN]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が3%を上回る上昇となり、ネットフリックス[NFLX]も2%以上上げました。また、好決算を発表したエヌビディアが16%を超す上昇となったことから他の半導体株も高く、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が10%以上上げ、ブロードコム[AVGO]も6%を超える上昇となりました。マイクロン・テクノロジー[MU]も5%以上上げ、ウエスタン・デジタル[WDC]も4%を上回る上昇となっています。
先週末の米国市場でダウ平均構成銘柄はアムジェン[AMGN]やジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、IBM[IBM]、ダウ[DOW]、マクドナルド[MCD]などの21銘柄が上げ、アムジェンは1%を超える上昇となりました。一方でアップル[AAPL]やトラベラーズ[TRV]、シェブロン[CVX]などの9銘柄が下げ、アップルは1%安となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、決済サービス会社ブロック[SQ]が粗利益の大幅増や強気の見通しを受けて16%以上上昇しています。メディア大手のワーナーブラザース・ディスカバリー・インク[WBD]は決算で損失が予想を上回ったことで10%近く下げています。
5.為替・金利等
22日の長期金利は変わらずの4.32%となりました。先週末の長期金利は0.07%低い4.25%となりました。ドル円は150円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
ダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新したほか、先週末に反落となったナスダック総合株価指数も22日に大幅高となり一時史上最高値を上回る場面もあったことから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均も22日に続いて史上最高値を更新しそうで、節目の39,500円を上回ることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
マネックス証券 投資情報チーム