受験で「ミス引きずり大混乱」回避する1つの方法
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。
その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。
そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第101回は受験本番でミスを引きずってしまったときの心得についてお話しします。
いい結果を得たいと思い、緊張が募る
大学受験のシーズン真っ只中の今。
この記事を読んでいる人の中には、自分自身が受験生の人も、受験生の家族がいる人もいると思います。ここまで頑張ってきたことの集大成として、いい結果を得たい・家族にいい結果を伝えたいと多くの人が望んでいることと思います。
さて、そんな想いが強ければ強いほど、試験当日の日は緊張することでしょう。「落ちたらどうしよう」「自分の今までの努力が報われなかったらどうしよう」と考えて、プレッシャーで押し潰されそうになることもあると思います。
そんな人たちに1つだけ、覚えておいて欲しいことがあります。それは、「カラーバス効果」と呼ばれるものです。今回も、漫画『ドラゴン桜』の中から、試験当日のシーンを引用してお話ししたいと思います。まずはこちらの漫画をご覧ください。
※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
試験当日、いろんな科目のいろんな問題を解いていく中で、「できなかった問題」ばかりが頭の中に浮かんでしまうことがあります。
次の問題・次の科目に頭を切り替えて前に進むべきなのに、「さっきのあの科目の1問、間違えちゃったんだよな……」「あの問題の答え、『ア』でよかったのかな……」と、頭の中で前の問題がフラッシュバックしてしまい、試験に集中し切れなくなってしまう受験生は後を断ちません。
しかしこれは、「特定のことを一度意識してしまうと、その特定のことがそのあともずっと自然と目に入ってしまう」という人間の性質・通称「カラーバス効果」で説明がつきます。
ミスを引きずったとき、どうすればいい?
最初のほうのたった1問の、ちょっとしたミスを、過剰に引きずってしまっているだけなのです。本当はできた問題もあったはずだし、本当は普段よりも点数が高いかもしれないのに、「できた数問」よりも「できなかった1問」に意識が向いてしまっているだけかもしれないのです。
これに対しての対処法は、とてもシンプルです。「自分を強く信じること」です。精神論のように聞こえるかもしれませんが、これ以外に方法はないと思います。今までの頑張りが結果を出すことを信じて、前に進むことだけです。
「どうしよう」と思っても、「さっきの問題が間違いかもしれない」と思っても、やることは変わりませんよね。ただ、自分のこれまでの頑張りを信じて、次の問題に向き合うこと以外はありません。
よく、「メンタルが弱いから受験に落ちた」という人がいますが、「メンタルが弱いから」といって、「受験に落ちる」ということはありえません。
メンタルが弱くて、自分の今までの頑張りを信じ切れず、普段と違う問題の解き方をしたり、普段とは違う順番で問題を解いてしまったりして、その結果として落ちるのです。
普段の自分の頑張りを信じ切れないから落ちるのであって、決して、メンタルの弱さが直接的な原因ではないのです。
だからこそ、「自分はメンタルが弱い」と考えている人ほど、「普段どおり」を意識する必要があります。
桜木先生も漫画の中で言っていましたが、「最後は基礎」です。付け焼き刃のものではなく、普段から徹底している基礎の部分で、勝負は決まります。
カラーバス効果に惑わされず、最後まで自分を信じ、基礎を徹底できた人が、合格できるのではないかと思います。みなさんぜひ、全力で挑んでみてください!
受験勉強や、子供への教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。
(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)