それでもループ線!

地べたの難所から“天空の道”へ

 福井県が整備を進めてきた国道365号「梅浦バイパス」が2024年3月10日(日)に開通します。越前海岸に通じる国道の改良であり、杉本達治知事も1月25日の記者会見で「北陸新幹線開通後の二次交通にも効果的」と紹介しました。


建設中の梅浦バイパス(画像:福井県)。

 国道365号は、3月16日に控えた北陸新幹線の延伸開業で新設される「越前たけふ」駅付近から西へ、越前町の日本海沿いへ通じる主要ルートのひとつ。その山越え区間のなかでも難所がある越前町梅浦の集落をまるごとスルーするような約1.2kmのバイパスです。

 この現道は、急勾配かつヘアピンカーブやループ線などで地形を克服しながら集落を貫いているという、峠道の“フルコース” とも呼べるような区間です。道幅が狭いためクルマが車線をはみ出して通行していたり、大型車のすれ違いが困難だったりする状況もあるといいます。

 これに対してバイパスは、集落の外縁を沿うように高架橋や切土区間を配置。高低差を抑え、カーブをなるべくゆるやかにしつつも、さらにトンネルを含むループ線を設置して現道へ取りついています。SNSでは、上方から見たバイパスの地形を生かした曲線美に感心する声も見られます。

 福井県はこのバイパスについて、「越前海岸と北陸自動車道および国道8号を嶺北中央部で東西に直結する幹線道路が形成され、丹南地方の観光・産業の振興が図られます」と説明しています。