大谷翔平【写真:ロイター】

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12月10日にドジャース入りを表明してから1か月…この間にも多くの伝説

 米大リーグで今オフ最大の関心事となっていたのは、フリーエージェント(FA)となった大谷翔平投手が新天地にどこを選ぶかだった。昨年12月9日(日本時間10日)に、自らのインスタグラムを通じてドジャース入りを発表してから1か月。その間だけを切り取っても、スケールの大きな“伝説”をいくつも残してきた。野球という枠を超えて話題となったケースも多い。

 政府を動かしてしまった例まである。大谷はドジャースと10年総額7億ドル(約1014億円=契約当時)という史上最高額で契約した。ただこれは、そのうち6億8000万ドル(約986億円=同)が契約終了後の後払いになるという異例の形態。これを問題視したのが、カリフォルニア州の財務監督局だった。

 米紙「ロサンゼルス・タイムズ」によると、この報酬が実際に支払われる時期にカリフォルニア州から転居していれば、後払いされる額に課される州税、推定9800万ドル(約140億円)が同州に入らない可能性が出てくるという。同局の会計監査官マリア・コーエン氏は1月8日(日本時間9日)に「現在の税システムは、最も税率区分が高いほど恵まれた人たちに無制限の後払いを可能にしており、税金の構造に著しい不均衡を生み出している」と主張。さらに「断固たる行動を即座に取るよう連邦議会に要請する」とまで言っている。

 さらに、芸術作品にも登場している。ロサンゼルスとその近郊では、ドジャースとの契約が発表されると複数の巨大壁画が現れた。画家のジョナス・ネバー氏はバットを肩に担いだ大谷を黒い背景に描き「私たちが知っている唯一の方法で、ショウヘイ・オオタニをロサンゼルスに歓迎せざるを得なかった」とコメントしている。

 郊外のハモサ・ビーチでもアーティストのグスタボ・セルメーニョJr.氏が、商店の壁いっぱいにユニホーム姿の大谷を描いている。地元局「NBCロサンゼルス」は「ドジャースの新しいスーパースターは、すでにLAを乗っ取っているようです。ショウヘイ・オオタニの壁画がマンハッタン通りに現れました。さあ、そこに写真を撮りに行って」と、新名所として紹介した。

 また大谷は、他競技のアスリートからも尊敬を集める存在だ。12月21日(同22日)にはNFLのスタジアムに登場し、ラムズとセインツの試合を観戦。ロッカールームを訪れるとラムズの選手やヘッドコーチから感激の声が上がった。

 米メディアの報道によると、同じ背番号17を背負うプカ・ナクアは「彼が17を着こなしているのを見て満面の笑みになったよ」と感激。ヘッドコーチのショーン・マクベイ氏も「彼はやりたいことは何でもできる。彼がどれだけ大きいか気づかなかったよ」と身長193センチの大谷の体に驚きつつ、再訪を望んでいた。

(THE ANSWER編集部)