超ロング!胸スポンサー契約が「20年を超えた」7つのチーム
クラブチームとユニフォームの胸スポンサー企業との関係には様々なケースが存在するが、20年を超える長期スポンサー契約というのはそれほど多くない。
ここでは、そんな「長期胸スポンサー契約」7つのチームをご紹介しよう。
なお、今回の7チーム以外にも数少ないながら長期契約は存在するが、それらについては改めて取り上げてみたい。
バイエルン
バイエルン・ミュンヘン 2002-03 adidas ホーム ユニフォーム
バイエルン・ミュンヘン 2023-24 adidas ホーム ユニフォーム
バイエルン・ミュンヘンは2002-03シーズンから現在まで、ドイツの通信会社「Deutsche Telekom(ドイツテレコム)」と契約中。契約は今季で23シーズン目となるが、ロゴのデザインはこれまでに何度も変更を繰り返している。
初登場となった2002-03シーズンは「・T・・・Mobile」で、その後は「・T・・・Com」(2004-07)、「・T・・・Home」(2007-10)、「・T・・・」(2010-23)とデザインチェンジを経て、今季は最も短い「・T・」を使用中。
ヴォルフスブルク
VfLヴォルフスブルク 1992-93 adidas ホーム ユニフォーム
VfLヴォルフスブルク 2023-24 Nike アウェイ ユニフォーム
VfLヴォルフスブルクと“VW”マークがお馴染みの胸スポンサー「Volkswagen(フォルクスワーゲン)」は、サッカー界を代表する長期スポンサー契約の一つ。
現在の契約は少なくとも1991年から継続中だが、恐らくはそれ以前にもVWロゴを付けていたと思われる。また、時代によって同社の車名やチャリティロゴを付けていた。
ホームタウンのヴォルフスブルク市に工場があるフォルクスワーゲン社の労働者によるチームが、後にVfLヴォルフスブルクへと姿を変える。同社との密な関係はある意味で当然のことであり、関係は今後も継続すると見られている。
PSV
PSV 1994-95 adidas ホーム ユニフォーム
PSV 2015-16 Umbro ホーム ユニフォーム
オランダの名門PSVは、1982-83から2015-16までの33シーズンという驚異的ともいえる長期間で「Philips」のロゴマークを付け続けた。
チーム名は単にPSV(ペー・エス・フェー)と呼ばれるが、正式名称は“Philips Sport Vereniging”。「Philips」の企業チームとしての出発がクラブの原点だ。今季で110周年を迎えたクラブの歴史は、即ち「Philips」との歴史ということになる。
Umbroがサプライヤーを担当した最初のシーズンが「Philips」胸ロゴ最後のシーズンに。ただ、同社は現在もスポンサーとしてクラブと関わりを持ち続けている。
シュトゥルム・グラーツ
シュトルム・グラーツ 1998-99 Puma アウェイ ユニフォーム
シュトルム・グラーツ 2022-23 Nike アウェイ ユニフォーム
かつてイヴィチャ・オシム氏も監督を務めたオーストリアの名門シュトルム・グラーツは、1996-97シーズンに同国の大手ビール会社「Puntigamer(プンティガーマー)」と契約し、現在もパートナーシップを継続中。今季で27シーズン目に突入している。
現在のクラブの正式名称は『SKプンティガーマー・シュトゥルム・グラーツ』。実はスポンサー企業名入りなのだ。さらには、2007年から2013年までのエンブレムには「Puntigamer」のロゴが入っていた。
シュトルムでは1960年代から企業名をチーム名に付け加えており、そのためスポンサーが変わるとチームの正式名称も変更となる。
横浜F・マリノス
横浜F・マリノス 1993-94 Mizuno ホーム ユニフォーム
横浜F・マリノス 2023 adidas ホーム ユニフォーム
Jリーグには一つの企業のスポンサーロゴを長期的に付けるチームが比較的目立つ。それはプロ化前の前身クラブとの関係性によるところも大きいが、企業は変わらずともロゴ表記は時代によって商品名などに変わるケースが多い。
そんな中で横浜F・マリノスは、全く変わらず日産自動車のロゴ「NISSAN」の6文字を付け続けている。チーム名がまだ「横浜マリノス」だったJリーグ開幕前年(1992年)のナビスコカップでのユニフォームから数えると、実に32年間という長期にわたり付け続けている。これは世界的に見てもかなり珍しい。
クラブは先日、2024シーズンのユニフォームを予告のようにチラッと見せていたが、その胸には変わらず「NISSAN」のロゴが収まっていた。2024シーズンでパートナーシップは33年目に突入する。
ガンバ大阪
ガンバ大阪 1993-94 Mizuno ホーム ユニフォーム
ガンバ大阪 2023 hummel ホーム ユニフォーム
長期の胸スポンサー契約という点では、横浜F・マリノスとともにJリーグを代表する存在のガンバ大阪。J開幕前年にあたる1992年ナビスコカップでのユニフォームから胸にパナソニック社のロゴ「Panasonic」を付け続けて32年が経過した。
クラブの前身は松下電器産業サッカー部だが、松下電器産業はパナソニックの旧社名。Jリーグ創設当時のユニフォームには背番号下に小さく「National / Panasonic」(両方とも松下のブランド名)とプリントしていた。
J1優勝、J2降格、ACL優勝、クラブワールドカップでのマンチェスター・ユナイテッド戦など、どんな時でも胸には「Panasonic」ロゴが付いていた。2024シーズンもほぼ間違いなく、このロゴを付けたユニフォームが登場することだろう。
インテル
インテル 1996-97 Umbro ホーム ユニフォーム
インテル 2020-21 Nike ホーム ユニフォーム
サッカー界の長期スポンサー契約を象徴するのが1995-96〜2020-21シーズンまで続いた「インテル×PIRELLI」。サッカーユニフォーム史に残る「黄金コンビ」の一つで、現在でもこの両者によるユニフォームは人気が高い。
「PIRELLI」はクラブと同じくミラノに拠点を構える企業で、主に自動車のタイヤメーカーとして有名な存在。インテルは食品企業「Fiorucci」との契約が終了した1995年に同社とパートナーシップを締結した。
相思相愛!90年代以前から「ユニサプライヤーが不変」の5チーム
2020年あたりから両者のユニフォームスポンサー契約終了の噂が流れ始め、2021年3月にそれが現実のものとなる。
契約終了の発表に世界中のサッカーファンやユニフォームマニアが悲しんだが、サポーター以外にこれほど惜しまれた“別れ”は、マンチェスター・ユナイテッドと日本企業「SHARP」や、リヴァプールと「Carlsberg」の他には無いだろう。
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