(朝)昨日の米国市場はハイテク株に買いが入り続伸 日本市場は米ハイテク株高を受けて上昇か
【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 37,683.01 △216.90 (1/8)
NASDAQ: 14,843.77 △319.70 (1/8)
1.概況
先週末の米国市場は堅調な米雇用統計を受けて米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かうとの期待から小幅に上昇となりました。15ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に183ドル高を付けた後昼過ぎに116ドル安を付けるなど一日を通して一進一退の展開になると結局25ドル高の37,466ドルで取引を終え続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も13ポイント高の14,524ポイントと6日ぶりに反発となりました。
昨日の米国市場は長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入り続伸となりました。138ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に213ドル安まで下落しましたが、その後下げ幅を縮めると午後に入ってプラスに転じ上げ幅を広げ結局216ドル高の37,683ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、ナスダック総合株価指数も319ポイント高の14,843ポイントと続伸となりました。
2.経済指標等
先週末に発表された12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比21万6000人増となり市場予想を上回りました。失業率は前月と変わらずの3.7%となっています。また、11月の米製造業新規受注は前月比2.6%増となり市場予想を上回りました。一方で12月の米ISM非製造業景況感指数は50.6と前月から低下し市場予想も下回りました。さらに昨日発表された11月の米消費者信用残高は前月比237億5000万ドル増となっています。
3.業種別動向
先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や公益事業、コミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスなどの8業種が上げました、一方で生活必需品と不動産、ヘルスケアの3業種が下げています。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、情報技術が2%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービス、不動産も1%以上上げています。一方でエネルギーが1%以上下げています。
4.個別銘柄動向
先週末の米国市場でダウ平均構成銘柄ではウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が3%余り上昇したほか、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]も2%余り上げました。また、ボーイング[BA]とホーム・デポ[HD]、ダウ[DOW]、アメリカン・エキスプレス[AXP]も1%以上上昇しています。一方でユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とIBM[IBM]が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が堅調で、エヌビディア[NVDA]が2%を超える上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も2%近く上げています。
昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄ではセールスフォース[CRM]が4%近く上げたほか、インテル[INTC]も3%を超える上昇となりました。アムジェン[AMGN]とウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]、アップル[AAPL]も2%以上上げ、マイクロソフト[MSFT]も2%近く上昇しています。一方で米連邦航空局が機体の一部が吹き飛び緊急着陸した737MAX9の一時運航停止と緊急一斉点検を命じたことでボーイング[BA]が8%安となっています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が堅調で、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]、ネットフリックス[NFLX]が2%を上回る上昇となり、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]も2%近く上げています。半導体株も高く、中国向けの人工知能(AI)用半導体を2024年5-7月期にも出荷すると伝わったエヌビディア[NVDA]が6%を超える上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も5%以上上げています。ブロードコム[AVGO]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]も2%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は堅調な米雇用統計を受けて早期の利下げ期待が後退し0.05%高い4.05%となりました。
昨日の長期金利はニューヨーク連銀が発表した2023年12月の消費者調査で1年先の予想物価上昇率が前の月の3.4%から3.0%に低下し、2020年12月以来の低さとなったことから0.02%低い4.03%となりました。ドル円は144円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は昨日の米国市場でのハイテク株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨年の7月3日に付けた昨年来高値(33,753円)を更新できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
マネックス証券 投資情報チーム