DeNAの本拠地・横浜スタジアム

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プロ野球阪神などで投手としてプレーした野球解説者の江本孟紀氏(76)が2023年12月7日にユーチューブを更新し、元横浜投手の野村弘樹氏(54)をゲストに迎え「DeNAの戦力で優勝できないのはなぜなのか」をテーマにそれぞれの意見を交わし合った。

「DeNAはここ1番で打てない」

DeNAは今季序盤に首位に立つ勢いを見せるも終盤に失速しリーグ3位に終わった。クライマックスシリーズ(CS)ではリーグ2位の広島に連敗し、ファイナルステージ進出を逃した。打撃陣では宮崎敏郎内野手(34)が首位打者となり、投手部門では東克樹(28)が最多勝のタイトルを獲得するなど個人での活躍が目立った。

江本氏は今季優勝を逃した要因のひとつに打点の少なさを挙げた。「ここ1番で打てない。このチャンスに1本打てれば勝つのにという試合が結構ある」と指摘すると、野村氏は「ここでの1球と、ここでの1本というちょっとした差しかないような気がします」と同調した。

野村氏はCSでの投手起用について言及。DeNAは初戦を2−3の11回逆転サヨナラ負けで落とし、接戦となった第2戦は2−4で負けた。

野村氏は「クライマックスで連敗したじゃないですか。その時に森原(康平)が抑えでケガがどうのこうので使えるか分からない状況で、結局最後の最後(第2戦目)で使っている。だったらなんで(初戦で)いかないのかと思うわけですよ。その辺も含めて分からない。あと何試合しか投げないわけじゃないですか。そこで頑張れないのかなとかいうのがありました」と起用法を疑問視した。

「今年バウアーが入って変わりましたよ」

野村氏は先発投手の起用法にも言及し、独自の見解を示した。

「クオリティスタート(6回以上、自責点3内)は中4日で投げるやつがいう話であって、日本では通用しないと思っている。中6日きっちり空けるわけですから。だから100球、中4日でいくより行けるところまでいって130、140球投げて中6日の方が負担が少ない気がする」

野村氏の意見に対して江本氏は「そういう所の基本がベイスターズはずれている。そこが優勝できない原因のひとつかもしれない」と語った。

今季は米大リーグの20年ナ・リーグのサイ・ヤング賞投手であるトレバー・バウアー投手(32)が加入し10勝4敗、防御率2.76の活躍を見せた。マウンド上で闘志をむき出しにするシーンが多く見られ、ファンの心をわしづかみにした。

野村氏は「今年バウアーが入って変わりましたよ」とし、「球数関係なく中4日で。それから東も投げるようになったし今永(昇太)も投げるようになった。ベイスターズだけでなく色々な球団にも(影響が)あったと思います。闘志を前に出して。バウアーの加入は大きかった」と振り返った。

江本氏もバウアーがチームに与えた影響を認め、「バウアーが来て初めて目が覚めた。バウアーはアメリカでも最先端を行っている投手」と称賛し、「ベイスターズがなんでダメかというと、先発投手を判で押したように6回で代える。あれがずっとのちのち影響してる。目を覚ましてほしい。せっかくバウアーが来たのに」と語った。

そして打撃陣にも言及。「必ず初球から積極的に打つ。ピッチャーの配球を見ない。初球から好きなように打つ。だから得点圏で打てない。昔はピッチャーを追い込むバッティングをする人が多かった。今は1球で勝負する。ピッチャーを追い込む打ち方ではない」との持論を展開した。