強行スケジュールでも「出るからにはやるしかないし、そのために今まで準備してきた」と語る佐野。(C)SOCCER DIGEST

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[J1第33節]川崎 3−0 鹿島/11月24日/等々力陸上競技場

 鹿島アントラーズは11月24日、J1第33節で川崎フロンターレと対戦し、0−3で敗れた。

 悔しい結果に終わったが、この試合で今季最高とも言えるプレーを披露したのが佐野海舟だ。

 22歳のMFは、先日のワールドカップ・アジア2次予選を戦う日本代表に追加招集で初選出され、ミャンマー戦(5−0)で途中出場から初キャップを刻んだ。その後、サウジアラビアで開催されたシリア戦(5−0)を終え、鹿島に合流したのは川崎戦前日の23日だった。

 帰国後、中1日での強行出場となるが、岩政大樹監督は代表で受けた刺激を活かしてほしいとの想いから、佐野に先発を託したという。
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 佐野は「(日本代表では)いろんな選手から刺激を受けました。自分の武器や良さは消しちゃダメだと思いますが、そういう良さを出したなかで、もっといろんな選択肢を増やしていければ」とコメント。

 試合では、得意のボール回収だけでなく、攻撃にも積極的に関与。狭いコースでも縦パスを狙い、自身もたびたび攻め上がるなど、早くも進化の兆しを見せていた。

 それでも、以下のように自省の弁を語る。

「どれだけ良いプレーをしても、チームの得点につながらなかったら意味がないと思うし、その良いプレーが果たして本当に良いプレーなのか。やっぱりチームとしてゴールを取ったり、ゴールを奪われないことが大事だと思うので、それに直結するようなプレーをもっとやらないといけない」

 淡々とした口調の裏には飽くなき探求心が込められていた。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)