二宮和也&阿部寛も連投、4作出演のジャニ俳優も! 連ドラ「同じ役者ばかり」の裏に「視聴率急落」テレビ局の「安定志向」
話題を呼んだ日曜劇場『VIVANT』(TBS系)も9月17日に最終回を迎え、7月から放送が開始された「夏ドラマ」の多くがクライマックスに突入している。
代わりに聞こえてきているのは、10月から開始していく「秋ドラマ」の情報解禁に関する話題だが、その“顔ぶれ”には、異常が生じ始めている。
9月18日、フジテレビは、10月スタートの連続ドラマ『いちばんすきな花』に、今田美桜が主演すると発表した。
同ドラマは、2022年10月から放送されて人気を集めた『silent』の制作陣が集結する注目作。じつは、今田のほかに多部未華子、松下洸平、神尾楓珠(かみお・ふうじゅ)が主演に発表されている。この“クワトロ主演”も話題にもなっているのだが……。
「今田さんは夏ドラマの『トリリオンゲーム』(TBS系)にも出演していましたし、神尾さんは、同じフジテレビで9月18日が最終回の『真夏のシンデレラ』に出演しています。
さらに、松下さんにいたっては“春ドラマ”の『合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜』(関西テレビ制作、フジテレビ系)から、夏ドラマの『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)と、3作連続のドラマ出演。このように、ドラマに続けて出演する“連続登板”の俳優、女優が、2023年の秋ドラマでは非常に多いんです」(芸能記者)
『VIVANT』で主要キャストを務めた阿部寛と二宮和也、小日向文世、飯沼愛もそうだ。阿部はテレビ東京系の深夜ドラマ『すべて忘れてしまうから』、二宮が“月9”の『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』(フジテレビ系)と、それぞれ主演が決まっている。
また、小日向が『下剋上球児』(TBS系)と、2期連続で日曜劇場に出演するのにくわえて、『VIVANT』で女性ハッカー役として注目を集めた飯沼は『マイ・セカンド・アオハル』(フジテレビ系)に出演。
ほかにも連続登板の出演者は、向井理、小芝風花、松岡茉優、鈴鹿央士、沢村一樹、生瀬勝久、志田未来、笠松将など、15人以上になっている。
なかでも『ゼイチョー 〜「払えない」にはワケがある〜』(日本テレビ系)に出演する「Sexy Zone」の菊池風磨は『大病院占拠』(日本テレビ系)、『隣の男はよく食べる』(テレビ東京系)、『ウソ婚』(関西テレビ制作、フジテレビ系)に続く、驚異の4連続での出演だ。芸能事務所関係者はこう話す。
「この傾向はいまに始まったことではなく、2022年ごろから顕著になってきました。昨今の配信系サブスクリプションサービスの台頭によって、地上波連続ドラマの視聴率は急降下しています。
夏ドラもここまで、2ケタ視聴率を超えたのは『VIVANT』だけ。『VIVANT』以外では『ハヤブサ消防団』と『刑事7人 Season9』と、テレビ朝日系のドラマが数話で2ケタに到達しましたが、そのほかは一度もありません。
こうした低視聴率の連発で、テレビ局では企画段階で大失敗しないことが求められ、ある程度の演技が期待でき、知名度のある役者という“安定した面々”が重宝される傾向にあるのでしょう」
さらには、ドラマ撮影の環境の変化も影響しているようだ。
「2023年2月ごろから撮影をおこなっていた『VIVANT』のように、かなり前倒しで撮影を始めるドラマが増えていることも関係していると思います。
前倒しは、コロナ禍を機に、かなり増えましたが、これによって出演者のスケジュールも、早めに抑えなければいけない状態にあります。
制作側から出演を求められている役者はどんどん埋まっていくため、キャストに穴が空いているので、意外な人選を……というのは減っていますね」(同前)
計画的に仕事ができる役者側としては、うれしいばかりだと思うが、視聴者にとっては「同じ俳優ばかり」となっているような……。