ローズS出走予定のラヴェル(撮影:下野雄規)

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 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。

 今週の重賞競走は日曜日にローズステークス(GII)、月曜日にセントライト記念(GII)が行われます。その中から阪神競馬場で行われるローズSを取り上げます。まずは過去の傾向から。

 過去10年のローズSにおける、前走クラス別成績です。前走でGIに出走していた馬が7勝2着2回3着3回と優秀な成績を収めていますが、単勝回収率や複勝回収率は50%以下と低調な数値となっています。回収率が上がっていないのは人気薄があまり走っていないという事になりますので、前走GIに出走していたからという理由で人気薄の評価を上げるのは危険かもしれません。

 一方、前走1勝クラスに出走していた馬は3勝2着4回3着3回。複勝回収率は127%と高い期待値をマークしています。昨年のローズSでは前走1勝クラス出走馬のエグランタインが7番人気で3着に入っていますし、20年には14番人気2着のムジカ、11番人気3着のオーマイダーリンがともに前走1勝クラスから参戦し激走しています。これらの結果からローズSで人気薄を狙うならば前走1勝クラスに出走していた馬に着目するのがいいのかもしれません。

 続いては、過去10年の前走上がり別成績です。前走で上がり2位以内を記録していた馬が4勝2着6回3着5回で複勝回収率181%と優秀な数値を残しています。過去10年のローズSでは上がり2位以内だった馬が7勝2着5回3着4回で単勝回収率、複勝回収率ともに200%を超えています。ローズSは直線で速い脚を使える馬が結果を残しやすい傾向があると考えられますし、前走でしっかりとした末脚を駆使している事が好走条件のひとつと言えるのではないでしょうか。

 それでは早速ですが、今週のローズSでAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。

◆上がり馬かGI好走馬か

ブライトジュエリー

 デビューは今年3月の未勝利戦と遅かったですが、経験馬相手に怒涛の追い込みを見せて4馬身差で快勝。続くフローラS(GII)では中団追走から3着と好走。残念ながらオークス(GI)の優先出走権は獲得できませんでしたが、直線で少し窮屈になる場面があった事に加え、キャリア僅か1戦で重賞メンバー相手に上位争いを演じたあたりに本馬の能力の高さが窺えます。

 前走のマカオジョッキークラブT(1勝クラス)ではこれまでの控える競馬ではなく、道中3、4番手追走からきっちりと押し切り順当に2勝目を挙げています。これまでの3戦でまだ底を見せていないですし、重賞で通用する能力がある事はフローラSですでに証明済みです。そのフローラSの時よりもキャリアを重ねパワーアップも見込めるでしょうし、初重賞制覇に十分期待できるのではないでしょうか。

ラヴェル

 デビューから2連勝でアルテミスS(GIII)を制した実力馬です。そのアルテミスSでは今年の牝馬クラシック二冠馬リバティアイランドに唯一土をつけた事でも知られています。その後、阪神JF(GI)や桜花賞(GI)では外枠に泣かされて結果を残せていませんが、前走のオークスで4着と好走。

 そのオークスは差し、追い込みが上位を独占する中、3番手追走から一旦は先頭に立つ見せ場たっぷりの走りで能力の高さを十分に示した内容と言えます。今回のローズSはオークス最先着馬として登場します。相手の挑戦を受けて立つ立場となりますが、これまでの実績を考えれば勝機は十分にあるでしょうし、GI制覇へ向けて弾みのつく結果を期待したいところです。

セーヌドゥレーヴ

 前走、札幌で行われた1勝クラスでは、先団を追走し直線では力強い伸び脚で後続を完封し2勝目を挙げています。デビューしてから初勝利を挙げるまでに時間を要しましたが、近3走で2勝を挙げており軌道に乗っています。

 今回は重賞初出走となりますが、新馬戦ではフィリーズレビュー(GII)勝ち馬のシングザットソングと僅差の競馬をしていますので、重賞でも通用する能力は十分にありそうです。これまでに目立った実績を残していないので、今回は人気薄での出走となりそうですが、過去の傾向でもご紹介したように1勝クラスから参戦してきた馬は時に大穴を空ける事もありますので、狙う価値は十分にあるのではないでしょうか。