JFL再開目前! “Jへの門番”HondaがJ3ライセンス組の野望阻む? 沖縄SVは窮地…滋賀が大量9人を補強【JFLプレビュー】
8月が中断期間となっている2023シーズンの日本フットボールリーグ(JFL)。9月2日〜3日の第19節から再開される。
今季のJFLはFC神楽しまねのリーグ脱退が開幕直前に決定したため、従来の16チームではなく15チーム編成。中断期間に突入した段階で首位に立つのは“Jへの門番”として名高いHonda FCだ。
◆“覇権奪還へ!” 首位「Honda FC」
1999年に現行のJFLとなって以来、最多9回の優勝を誇るHonda。しかし、ここ数年は栗本広輝(現・大宮アルディージャ)らを擁して前人未到の4連覇を成し遂げたころの力強さが鳴りを潜め、2019年を最後にリーグ優勝から遠ざかっている。
今季もスロースタートの印象が否めなかったが、6月25日の第13節でクリアソン新宿を3-0と撃破してからギアが上がり、中断期間までに破竹の6連勝。残り11試合で2位・ソニー仙台FCとの勝ち点差は「4」とさほど開いていないが、中断前の戦いを継続できれば、4年ぶりの覇権奪還は固いだろう。
また、Hondaの再開初戦はアウェイでの13位・東京武蔵野ユナイテッドFC戦。下位に沈む相手からしっかり白星をもぎ取れれば、中断前の勢いを継続することもできるはずだ。2021シーズンのJFL得点王であるFW岡粼優希(25)は現在、得点ランキング2位タイの8ゴール。さらなるゴール量産に期待したい。
◆“1年での降格は避けたい” 最下位「沖縄SV」
心配なのは最下位に沈む沖縄SVだ。元日本代表FW高原直泰(43)が2015年に立ち上げ、オーナーとなり、監督を務め、自ら背番号10を背負ってピッチにも立つなか、昨年11月の全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)で準優勝し、2016年の沖縄県3部リーグ参入から7年でJFLまで辿り着いた。
チームの看板はもちろん高原だが、DF岡根直哉(35)やDF安在和樹(29)といった複数のJ経験者も所属。しかし、第18節を終えて2勝3分け12敗。14位・ミネベアミツミFCとの勝ち点差だけで「9」がつき、このままだと今年の地域CL準優勝チームとの入替戦(※)へ進むことに。そうなると、1年での九州リーグ降格という最悪の結末もあり得るかもしれない。
(※)今季のJFLは、最下位は地域リーグへの自動降格とはならず、地域CL2位との入替戦という変則レギュレーション
今夏はJ2のFC町田ゼルビアからMF樋口堅(20)を育成型期限付き移籍で獲得。17試合でわずか「6」ゴールという深刻な得点力不足に悩まされ、9試合白星から遠ざかる沖縄だが、残り11試合で最下位を抜け出し、入替戦を回避できるだろうか。再開初戦はミネベアミツミとアウェイで対戦する。
◆“魅惑の攻撃陣” 8位「ブリオベッカ浦安」
都並敏史監督率いるブリオベッカ浦安は4連勝で中断期間に突入。沖縄とともに今季から2度目のJFL昇格を果たしたなか、開幕9試合未勝利と苦しむも、徐々にチーム全体がJFLに適応し、気づけば4連勝とともに8試合無敗に。順位も最下位から8位まで上昇した。
好調を支えるのはブラウブリッツ秋田などでも活躍し、第13〜17節にかけて5試合連続ゴールをマークしたFW峯勇斗(30)。また、背番号「2」を背負う快足アタッカーMF村越健太(26)が崩しの切り札を担い、中盤ではMF伊藤純也(25)が長短のパスを散らして攻撃にリズムを与える。
さらに元FC東京のFW林容平(34)や、市立船橋高校時代に杉岡大暉(湘南ベルマーレ)らとともにインターハイを制した経験を持つ身長187cmFW村上弘有(25)など、興味を惹く経歴を持つFWも複数所属。昇格組ながらもリーグ5位の「23」ゴールを誇る攻撃陣がさらなる浮上のカギを握るだろう。再開初戦は6位・レイラック滋賀FCをホームに迎え撃つ。
◆“県勢初のJリーグへ!” 6位「レイラック滋賀FC」
その滋賀は今夏、新戦力として9人を補強。FCティアモ枚方からFW大垣勇樹(23)とMF薬真寺孝弥(24)を完全移籍で獲得し、Jリーグからは栃木SCのDF面矢行斗(24)やV・ファーレン長崎のMF五月田星矢(21)など大量7人を期限付き移籍で獲得した。
滋賀に2023シーズンJ3クラブライセンスは交付されていないものの、先月21日には「滋賀にJリーグを」と銘打った署名活動を開始。長年「MIOびわこ滋賀」として親しまれた滋賀は、今季からのチーム名称変更に署名活動開始、さらに大型補強と、一歩ずつ県勢初のJリーグ参入に向けた動きを強めている。
◆“外国籍FW2人が加入” 3位「ラインメール青森」
一方で、2023シーズンJ3クラブライセンスを交付されている4チームに目を向けると「J3への自動昇格、もしくはJ3との入替戦への進出」となる2位以内に最も近いのは3位・ラインメール青森。柴田峡監督率いるチームはリーグ最少タイの「12」失点と堅守が光る一方、17試合で17ゴールと得点力は高くない。
それでも中断直前に身長193cmのコスタリカ人FWクルーニー(28)、元栃木SCのブラジル人FWヴィニシウス(27)を相次いで獲得と、FW船山貴之(36)のけん引する攻撃陣に助っ人がやってきた。2位ソニーとの勝ち点差は「2」。2位以内でフィニッシュする可能性は十分にあるだろう。
また、ヴェルスパ大分は7位、ヴィアティン三重は9位、高知ユナイテッドSCは11位となっている。順位上は3チームとも中位・下位だが、ここまで沖縄以外の14チームは混戦状態が続いており、毎節のように順位が入れ替わる。2位以内の確保を諦めるにはまだ早い。
青森、V大分、V三重、高知。彼らは2位ソニー、そして国内最強の企業クラブであるHondaの壁を越えられるだろうか。
◆J3とJFL、今季の入れ替えは?
なお、HondaのようにJ3ライセンスを持たないチームで2位以内が占められた場合は、J3とJFLの間でチームの入れ替えは行われないということになる。
◆順位表
[勝ち点(第18節終了時点)]
1.Honda 33pt
2.ソニー 29pt
3.青森 27pt
4.新宿 27pt
5.マルヤス 24pt
6.滋賀 24pt
7.V大分 24pt
8.浦安 23pt
9.V三重 22pt
10.枚方 22pt
11.高知 21pt
12.鈴鹿 20pt
13.武蔵野 19pt
14.ミネベアミツミ 18pt
15.沖縄 9pt
◆第19節
9月2日(土)
[14:30]
FCティアモ枚方 vs 高知ユナイテッドSC
[15:00]
FCマルヤス岡崎 vs ラインメール青森
[18:00]
東京武蔵野ユナイテッドFC vs Honda FC
ヴィアティン三重 vs クリアソン新宿
9月3日(日)
[13:00]
鈴鹿ポイントゲッターズ vs ヴェルスパ大分
[15:00]
ミネベアミツミFC vs 沖縄SV
ブリオベッカ浦安 vs レイラック滋賀FC
※今節試合なし
ソニー仙台FC
今季のJFLはFC神楽しまねのリーグ脱退が開幕直前に決定したため、従来の16チームではなく15チーム編成。中断期間に突入した段階で首位に立つのは“Jへの門番”として名高いHonda FCだ。
◆“覇権奪還へ!” 首位「Honda FC」
1999年に現行のJFLとなって以来、最多9回の優勝を誇るHonda。しかし、ここ数年は栗本広輝(現・大宮アルディージャ)らを擁して前人未到の4連覇を成し遂げたころの力強さが鳴りを潜め、2019年を最後にリーグ優勝から遠ざかっている。
また、Hondaの再開初戦はアウェイでの13位・東京武蔵野ユナイテッドFC戦。下位に沈む相手からしっかり白星をもぎ取れれば、中断前の勢いを継続することもできるはずだ。2021シーズンのJFL得点王であるFW岡粼優希(25)は現在、得点ランキング2位タイの8ゴール。さらなるゴール量産に期待したい。
◆“1年での降格は避けたい” 最下位「沖縄SV」
心配なのは最下位に沈む沖縄SVだ。元日本代表FW高原直泰(43)が2015年に立ち上げ、オーナーとなり、監督を務め、自ら背番号10を背負ってピッチにも立つなか、昨年11月の全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)で準優勝し、2016年の沖縄県3部リーグ参入から7年でJFLまで辿り着いた。
チームの看板はもちろん高原だが、DF岡根直哉(35)やDF安在和樹(29)といった複数のJ経験者も所属。しかし、第18節を終えて2勝3分け12敗。14位・ミネベアミツミFCとの勝ち点差だけで「9」がつき、このままだと今年の地域CL準優勝チームとの入替戦(※)へ進むことに。そうなると、1年での九州リーグ降格という最悪の結末もあり得るかもしれない。
(※)今季のJFLは、最下位は地域リーグへの自動降格とはならず、地域CL2位との入替戦という変則レギュレーション
今夏はJ2のFC町田ゼルビアからMF樋口堅(20)を育成型期限付き移籍で獲得。17試合でわずか「6」ゴールという深刻な得点力不足に悩まされ、9試合白星から遠ざかる沖縄だが、残り11試合で最下位を抜け出し、入替戦を回避できるだろうか。再開初戦はミネベアミツミとアウェイで対戦する。
◆“魅惑の攻撃陣” 8位「ブリオベッカ浦安」
都並敏史監督率いるブリオベッカ浦安は4連勝で中断期間に突入。沖縄とともに今季から2度目のJFL昇格を果たしたなか、開幕9試合未勝利と苦しむも、徐々にチーム全体がJFLに適応し、気づけば4連勝とともに8試合無敗に。順位も最下位から8位まで上昇した。
好調を支えるのはブラウブリッツ秋田などでも活躍し、第13〜17節にかけて5試合連続ゴールをマークしたFW峯勇斗(30)。また、背番号「2」を背負う快足アタッカーMF村越健太(26)が崩しの切り札を担い、中盤ではMF伊藤純也(25)が長短のパスを散らして攻撃にリズムを与える。
さらに元FC東京のFW林容平(34)や、市立船橋高校時代に杉岡大暉(湘南ベルマーレ)らとともにインターハイを制した経験を持つ身長187cmFW村上弘有(25)など、興味を惹く経歴を持つFWも複数所属。昇格組ながらもリーグ5位の「23」ゴールを誇る攻撃陣がさらなる浮上のカギを握るだろう。再開初戦は6位・レイラック滋賀FCをホームに迎え撃つ。
◆“県勢初のJリーグへ!” 6位「レイラック滋賀FC」
その滋賀は今夏、新戦力として9人を補強。FCティアモ枚方からFW大垣勇樹(23)とMF薬真寺孝弥(24)を完全移籍で獲得し、Jリーグからは栃木SCのDF面矢行斗(24)やV・ファーレン長崎のMF五月田星矢(21)など大量7人を期限付き移籍で獲得した。
滋賀に2023シーズンJ3クラブライセンスは交付されていないものの、先月21日には「滋賀にJリーグを」と銘打った署名活動を開始。長年「MIOびわこ滋賀」として親しまれた滋賀は、今季からのチーム名称変更に署名活動開始、さらに大型補強と、一歩ずつ県勢初のJリーグ参入に向けた動きを強めている。
◆“外国籍FW2人が加入” 3位「ラインメール青森」
一方で、2023シーズンJ3クラブライセンスを交付されている4チームに目を向けると「J3への自動昇格、もしくはJ3との入替戦への進出」となる2位以内に最も近いのは3位・ラインメール青森。柴田峡監督率いるチームはリーグ最少タイの「12」失点と堅守が光る一方、17試合で17ゴールと得点力は高くない。
それでも中断直前に身長193cmのコスタリカ人FWクルーニー(28)、元栃木SCのブラジル人FWヴィニシウス(27)を相次いで獲得と、FW船山貴之(36)のけん引する攻撃陣に助っ人がやってきた。2位ソニーとの勝ち点差は「2」。2位以内でフィニッシュする可能性は十分にあるだろう。
また、ヴェルスパ大分は7位、ヴィアティン三重は9位、高知ユナイテッドSCは11位となっている。順位上は3チームとも中位・下位だが、ここまで沖縄以外の14チームは混戦状態が続いており、毎節のように順位が入れ替わる。2位以内の確保を諦めるにはまだ早い。
青森、V大分、V三重、高知。彼らは2位ソニー、そして国内最強の企業クラブであるHondaの壁を越えられるだろうか。
◆J3とJFL、今季の入れ替えは?
なお、HondaのようにJ3ライセンスを持たないチームで2位以内が占められた場合は、J3とJFLの間でチームの入れ替えは行われないということになる。
◆順位表
[勝ち点(第18節終了時点)]
1.Honda 33pt
2.ソニー 29pt
3.青森 27pt
4.新宿 27pt
5.マルヤス 24pt
6.滋賀 24pt
7.V大分 24pt
8.浦安 23pt
9.V三重 22pt
10.枚方 22pt
11.高知 21pt
12.鈴鹿 20pt
13.武蔵野 19pt
14.ミネベアミツミ 18pt
15.沖縄 9pt
◆第19節
9月2日(土)
[14:30]
FCティアモ枚方 vs 高知ユナイテッドSC
[15:00]
FCマルヤス岡崎 vs ラインメール青森
[18:00]
東京武蔵野ユナイテッドFC vs Honda FC
ヴィアティン三重 vs クリアソン新宿
9月3日(日)
[13:00]
鈴鹿ポイントゲッターズ vs ヴェルスパ大分
[15:00]
ミネベアミツミFC vs 沖縄SV
ブリオベッカ浦安 vs レイラック滋賀FC
※今節試合なし
ソニー仙台FC