馬房でのんびり過ごすコントレイル(提供:社台スタリオンステーション)

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 社台スタリオンステーションで繋養されているコントレイルが、このほどnetkeibaTV『名馬の今~2023夏』で特集された。放牧地で草を食べる姿や、馬房で佇む様子が伝えられたほか、スタッフが質問に答える形で、同馬の近況を明かした。

■社台SSスタッフ「相当に高い評価を受けています」

──スタッフの方々は何と呼んでいますか?
「コントレイルです」

──来た時はどんな様子でしたか?
「ラストランのジャパンC直後でしたので相応の疲労感があり、馬体も薄くなっていました。1か月後ぐらいにはコンディションがかなり上がり、そのあたりから他の種牡馬では見られないような高いレベルの動作を見せるようになり、尋常ではない馬なんだなというのが明確に分かるようになりました。馬房や放牧地では初めから我が家にいるような雰囲気で落ち着いており、環境への適応は早かったです」

──どんな性格ですか?
「突発的なテンションの上がり方、オンとオフのスイッチの切り替わりはディープインパクトよりかなりメリハリがあるように感じます。母方にアメリカのスプリント力の高い血が多く入っている分でしょうか。そのため、字面だけでなくメンタル面からもディープインパクト以上にスプリント戦で活躍する産駒を生みだしそうだと個人的には思います。

 テンションが上がる瞬間だけを見ると2400mや3000mを走れたことに少々違和感を持ちますが、普段から他の種牡馬たちがザワついているような時に平常心を保っていたり、自身をしっかりと持っていて、他から影響を受けることが少なく、全て自身の頭で考えて反応し選択して行動する印象なので、無駄な消耗が少なかったのかなとも思います」

──種牡馬としてのコントレイルの評価はいかがですか?
「父と同等レベルの運動能力を秘めていそうですし、俊敏さならそれ以上とも思える仕草が目立ちます。ダービーやオークスでの勝利をいくつ重ねるかという期待はもちろんですが、父の産駒以上にチャンピオンスプリンターやチャンピオンマイラーが誕生するのではないでしょうか? その反面、天皇賞(春)や菊花賞勝ち馬は父より少なくなりそうな気もします。そのため、ディープインパクト産駒が勝ったGIタイトルの距離内訳と比べて、全体的にやや短めに寄るのではないかと考えています。

 例えば、ディープインパクト産駒は天皇賞(秋)を1度しか勝っていないと記憶していますが、この数は増え、逆にジャパンCの数は減るみたいなこともあるかもしれません。いずれにしても、産駒がGIを多く勝つということは想像に難くありませんし、どの舞台が中心となるかに興味を向けています。もちろん、自身と同じく2歳王者の三冠馬という産駒が多く現れることも期待しています。とはいえキタサンブラックやキズナほか、ディープインパクトやブラックタイドの後継種牡馬には強力なライバルがいますから、簡単なことではありませんが」

──初年度産駒の評価はいかがですか?
「セレクトセールでも結果に出ていますが、相当に高い評価を受けています。私自身も多くの産駒を社台グループ内外で見ましたが、かなり高いレベルで均一に産駒が誕生している印象です」

──最近のコントレイルはどんな様子ですか?
「社台スタリオンの生活に完全に馴染み、繁殖シーズンの忙しさが過ぎ、今は毎日のんびり過ごしていますね」

──SNSで隣の馬房にいるキズナが壁を蹴るという情報がありましたが、コントレイルの反応は?
「キズナは交配前にギラギラとテンションが上がりやすい方で、馬房内でアピールしているうちに尻っぱねをしたりはしますが、コントレイルはそのような姿を見せることはあまり無いですし、影響を受けて一緒にテンションが上がるようなことはありませんね。牝馬と出会った瞬間には燃え上がりますが、他の種牡馬からの影響はあまり受けないタイプだと思います」

──種牡馬としての期待をお願いします
「ディープインパクトの後継種牡馬として多くのタイトルを獲得し、1代でも永く血を繋いで欲しいです」