将来、子どもがお金で困らないために、家庭でのマネー教育は必要不可欠。小・中・高校生の間にやっておくべきことを専門家たちが伝授します! 今回は「中学生編」。ファイナンシャルプランナーユニットのキャサリン&ナンシーさんに教えてもらいました。

子どものマネー教育「中学生編」

行動範囲が広がり、出費が増える年頃。やりくり力を鍛えながら、トラブルが起こる前に注意喚起を。

●中学生で身につけるべきお金の基本

・おこづかいのなかで「やりくり」ができるように
・ムダづかいをなくす
・欲しいものは買う理由を説明できるようになる

自分にとっての優先順位を考えさせて

中学生になると、使う金額も用途も多様化。「普段のおこづかいはもちろん、遠出や合宿などのお金も予算を決め、やりくり力を鍛えさせましょう」(キャサリンさん、以下キ)

買ったものの振り返りも継続。「自分がやりたいことがわかってくる年齢なので、『お菓子を買うよりも、本を買った方がいい』などと優先順位を意識するようになります」(キ)。

おこづかい以外で買いたいものがあるときは、きちんと理由を説明させること。「親を説得するために、本当に必要なものか、考える習慣づけになります」(ナンシーさん、以下ナ)

●STEP1:貸し借り・おごりはNG!トラブルになる前に注意喚起を

お金の貸し借りやおごりは、トラブルのもと。「早い時期に、『お金を借りられるのは、仕事をして返せる信用がある人だけ。自分の力で稼ぐまではダメ』とクギを刺して」(ナ)

●STEP2:遠出することが増える年頃。“特別費”はメリハリをつけて渡す

友達と映画などに出かけるお金を何度もねだられたら、「最近多いから、あと1回だけね」ときっぱり。「あと1回をどこで使うか、なにを断るか、真剣に考えるようになります」(キ)

●STEP3:キャッシュレス決済の練習は必要!自動チャージに気をつけて

キャッシュレス決済は、まずプリペイドタイプで練習を。「際限なく使える自動チャージは危険。高校で即時決済のデビットカード、大学でクレジットカードと段階を踏んで」(ナ)

ESSE読者に聞いた!中学生のおこづかいの平均額は「1833円」

~500円:4%
~1000円:15%
~2000円:42%
~3000円:33%
~5000円:4%
5001円~:2%

「毎月800円と、友達とのお茶代。同級生のなかには1万円の子もいるらしく、『うらやましい』と言われています」(Yさん・48歳)

「おこづかいとは別に、友達とごはんに行くときは5000円を渡し、レシートとお釣りを返してもらっています」(Nさん・43歳)

こんなときどうする?子どもとお金のQ&A

読者から寄せられた、お金に関する悩みをキャサリン&ナンシーがズバッと解決!

●Q:祖母が息子にこっそりおこづかいをあげるのをやめてもらいたい…(Sさん・47歳)

A:「お礼を言いたいから報告してね」と息子に伝えよう

「私からもお礼を言いたい」と伝え、報告させましょう。「お礼を言えば、祖母も内緒にしなくなります。大事なのは、子どもの所持金を把握すること。額が多いなら、『使いたいときに渡すね』と預かれば、納得するはず」(キ)

●Q:「うちはお金持ち?」と聞かれてどう答えていいかわかりません(Mさん・46歳)

A:正直に答えたうえで、お金だけでは幸せになれないことを教えよう

正直に答えてOK。「同時に、幸せはファイナンシャル(お金)、フレンド、フィットネス(健康)、ファミリー、ファン(楽しみ)の5つのFがそろった状態だよ。うちはお金持ちじゃないけど、幸せもちだねなどと話してみて」(キ)

●Q:おこづかいは同級生に合わせて渡すべき?(Tさん・42歳)

A:なんでも手に入ると思わせないために、我慢させることも大事

親の給料も資産も違うのですから、おこづかいが友達と違うのは当然。「『うちが出せるのはこれだけ』ときっぱり伝えて。たりないと言われたら、私は『大人になって自分で増やせる楽しみがあるね』と話しています」(ナ)