住宅に侵入してくる虫の存在は、わずらわしいものです。対策のために窓の選び方や外構を工夫し、加えて、気密性の高い家をハウスメーカーで建てた日刊住まいライター。実際その効果を感じています。その様子と、住んでからの対策について紹介。ただ、エアコンの室外機を畑の正面に設置したのは失敗だった!

虫が侵入しない家づくりを本気で検討

ハウスメーカーで2年前に家を建てた筆者(家族構成は、妻、子ども2人)。以前の賃貸の家で暮らしていたときは、虫の侵入や虫刺されに悩まされたこともあり、当時の家づくりでは虫対策をしっかり行ったつもりです。

結果的に、室内に関しては、虫をほとんど見かけない生活ができています。どんな工夫をしたのか、詳しく語っていきましょう。

 

素人ながらまず考えたのは、「すき間がなければ、虫は入ってこない」ということ。以下のことに注意すれば、十分だと考えました。

・家のすき間を少なくする
・すき間の少ない窓を採用する
・不自由を感じない範囲で、窓をあけずに生活できる仕組みにする

実際に建てた家は、C値が0.5で、最近増えている第1種換気(室内の換気を自動でする機械)を採用。窓をほとんどあけ閉めしないですむ家です。

C値とは、家全体のすき間の総量を数値で表現したもの。担当設計士からは「1.0以下で十分すき間の少ない家です」と言われました。もちろんですが、害虫のことだけでなく、暖房効率や断熱のことも考慮したうえでの設計です。

一般的な家では、換気は、窓をあけて行います。筆者も、子どもの頃から窓をあけて生活していたため、ハウスメーカー担当者から、そんな家ができると説明を受けた際は、「本当に窓をあけずに過ごせるの?」と疑問でした。

しかし実際に住んでみると、まったく問題なし。快適に過ごせていて、驚いています。

 

とくにこだわったのは、窓の選び方です。

じつは、法律により、家には、換気のための窓を設置しなければなりません(居室の床面積に対して、1/20以上)。わが家では換気の窓を、法律で求められるギリギリまでに押さえることにしました。

そのうえ、換気窓は、すき間が少ないと言われる縦すべり窓を採用することに。一方、明るさが欲しい場所など、法律で求められない部分については、フィックス窓を採用しました。

こうした窓選びにより、新居では、虫を見かける回数が以前の住まいに比べて激減! しかし、それでも虫の侵入はあるものです…。

ある日のこと。「ゲジゲジがいる!」と妻から報告を受けた筆者。どこから入ってきたのか、侵入経路の調査をすることになりました。

 

対策しても侵入する虫!侵入経路を調べてみた

家じゅうの調査をすると、素人ながら筆者でも、外から虫が侵入していそうな場所を6つも発見してしまいました。それが以下。

・エアコンの室外機
・引き違い窓のすき間
・トイレとお風呂の換気扇
・キッチンのレンジフード
・玄関
・たまに外干しするために出入りに使う引き違い窓

 

とくに侵入経路として可能性が高かったのは、引き違い窓のすき間と、エアコンの室外機、そしてトイレの換気扇でした。

ちなみに、ゲジゲジが出現した場所はエアコンの真下。ちなみに、エアコンの室外機の正面には畑があります。それまでも、周囲にゲジゲジの生息を確認していました。

 

さらに、小さな虫(実際には死がいでした)を引き違い窓とトイレの換気扇に複数発見しました。室内で小さな虫を見かけることがあったのは、ここから侵入していたからでしょう。

じつは、引き違い窓は、外干しのために出入りするのに便利だと思って、1つだけつくっていました。わが家は基本的には室内干しをする仕組みです。でも妻に「部屋干しだけですますなんて、無理だと思う」と言われて、保険として設置したのです。

侵入経路に虫対策を実施。洗濯家事の見直しも

虫の侵入経路を確認したため、次は筆者が実際に考えて実施した虫対策を紹介します。それが以下。

・エアコンのドレンホースに防虫キャップをつける
・家の周りに防虫スプレーをときどき散布する
・換気扇に、防虫用のフィルターをつけることを検討(実施はせず)
・衣類乾燥機を購入して、完全室内干しの体制にする

まずエアコンの室外機のドレンホースに防虫キャップをつけました。ハウスメーカーの営業担当の方いわく「防虫キャップは一般的によく使われている」とのこと。

100均のものでも十分効果があると教えてもらい、実際につけてみました。装着後からゲジゲジの侵入はありません(しかしそれでも筆者は、「防虫キャップのすき間から侵入するのでは」と不安…)。

次に虫の侵入しやすい場所に、防虫スプレーを噴霧しました。これが効果的だったのか? 敷地内で虫の姿を見る回数は減りました。しかし同時に虫の死骸も増えたため、掃除が大変というデメリットも。

 

室内と外が直接つながる換気扇。虫の侵入を防止するために、防虫フィルターの導入を検討しました。しかし換気扇にフィルターを取りつけるのは、「メーカーに推奨されていない」という話も聞きます。

そのため、最初に取扱説明書を確認。そうするとフィルターに関する記載がありませんでした。困った筆者は、換気扇のメーカーに問い合わせることに。

メーカー担当者の回答は、「フィルターは目詰まりを起こす可能性があるため、推奨していません。もし取りつける場合は、お客様の責任でお願いします」というもの。

そのため、筆者は取りつけをするのはやめました。現在は、外側の換気扇周囲に、外壁用の防虫スプレーを使用するだけで対策しています。

余談ですが、第1種換気に関わる空気の出入り口については、なんの対策もしていません。というのも、専用の防虫袋で侵入した虫を捕まえる仕組みだから。フィルターには虫はつかず、もちろん室内にも入ってきません。

 

最後は、洗濯家事を見直して、室内干しに一本化しました。いっそう快適にするため、衣類乾燥機を購入しています。

「においが気になる」「湿度が上がってジメジメする」「そもそも、干す場所がない」…。室内干しには、デメリットがあると思います。当初は筆者も心配でしたが、意外と気にならずに生活できています。

ただし、衣類乾燥機で電気代が高くなってしまうのは、少し気になっているところですが。

虫の多い土地でも外構で改善できた

じつは最初から、対策をしたところで、ある程度虫に悩まされるのを覚悟していました。筆者が家づくりに選んだ土地は、もともと畑です。周囲も古い家や畑、水路があります。賃貸暮らしのときも裏が畑で、虫の多い地域でした。

そこで筆者は「外構でも、虫対策を徹底しよう」と考え、コンクリートと人工芝を中心にしたプランにしました。予算を抑えるために、防草シートと砂利も使いながら、虫が好む「水や土」を減らしたのです。

そのうえ、近隣の虫が多そうな家から、虫が飛来しないようフェンスも設置しています。

しかし、筆者の対策は甘かった!? エアコンの室外機を畑の目の前に設置したのは、いちばんの失敗でした。とはいえ、上記のような対策をしないでいたら、もっとひどい目に合ったかもしれませんね。