回遊性はあるのに、アイランドキッチンにありがちな汚れの飛び散りの心配無用! 小さな子どもを育てる日刊住まいライターが、夫婦で使いやすいように考え抜いたキッチンレイアウトを紹介します。幅広の通路に、5cm高めのカウンタートップのおかげで、夫婦同時の作業がとてもスムーズに。

共働きの子育て世代、効率のいいキッチンづくりを目指す!

筆者の家族構成は、夫婦、1歳の長男の3人です。1年半前にハウスメーカーで、注文住宅を建てました。

わが家は共働きであるため、朝晩のご飯の支度の際には、夫婦ふたりでキッチンに入るのが習慣に。リビングやダイニングにいる子どもの様子を見つつ、キッチン内で2人があわただしく動き回ること動くことが予想できました。

そこで、家づくりでは、家事動線の効率を十分に考慮。ムダのない間取り、みんなが使いやすいキッチンづくりを目指しました。

 

回遊動線で使いやすいアイランド風ペニンシュラキッチン

わが家のキッチンレイアウトは「アイランド風のペニンシュラキッチン」です。どんなものかというと、アイランドキッチンの一方の端に(レンジフード設置のための)薄い壁があるイメージです。

壁がありますが、その裏は幅60cm通路。なので、回遊性があります。そのため、家事効率が非常によいです。パントリーやリビング、ダイニングへアクセスする際に、大回りしないですみます。

ちなみに、前に住んでいた賃貸マンションは、壁づけキッチンでした。このタイプは料理に集中しやすく、油跳ねなどの汚れが広がりにくいというメリットがあります。

一方で、リビングダイニングにいる家族と孤立する、リビングダイニング側から散らかり様が丸見えになる、家事動線が悪いというデメリットも感じていました。

 

採用したレイアウトは、筆者の3つの悩みを解消するのにぴったりのものでした。加えて、IHヒーター横の壁がいい仕事をしてくれます。油跳ねなどの汚れが、床などに飛び散るのを防ぐのです。掃除をする範囲がとても狭くなり、負担がラクに。

 

また、わが家は2つの冷蔵庫(左:キッチンにある冷蔵庫700L、右:パントリー内冷蔵庫475L)を使い分けています。回遊動線のおかげで、その使い勝手がよりいっそう上がりました。

筆者は、キッチンにある冷蔵庫に食材やつくり置きを、パントリーにある冷蔵庫には調理不要の飲み物やつまみ&お菓子などを入れています。

複数の動線があるので、パントリーの冷蔵庫に飲み物などを取りにきた夫と調理中の筆者がバッティングしてイライラすることもありません。

ちなみに、なぜ、冷蔵庫を2つを使い分けているか。以下の理由からです。

・共働きのため、つくり置きや冷凍ストックが多い
・ふるさと納税の返礼品で冷凍品が多い
・全館空調の家なので、野菜などを常温保存するのが難しい
・1台の冷蔵庫に食材を詰めすぎると非効率になるうえ、出し入れがしにくい

とにかく使いやすい、わが家の「アイランド風ペニンシュラキッチン」。強いてデメリットをあげるとすれば、2つ動線をつくったぶん建築面積が増えたことによる、建築費用のアップくらいでしょうか。

すれ違いやすいよう、キッチン通路幅は広めに

わが家は夫婦ふたりでキッチンに入ることも多いため、すれ違いやすいように通路幅105〜110cmと広めにとりました。これだけ広いと、カップボードの扉や引き出しをあけていても、大人2人が、ストレスなくすれ違えます。

この「ストレスなく」という点が、日々の生活にはとても大切。2人同時で動きづらい、となると、一方に台所仕事を任せるということにもなりがちに。

共同作業で短時間に台所仕事を終わらせて、その後サッとお出かけを…。そんなシチュエーションなどには、通路幅の余裕がとてもありがたく思えます。

 

夫の利用も考えて、キッチンワークトップを少し高く

わが家のキッチンのワークトップは、高さが90cmと少し高めです。パナソニックのキッチン担当者いわく、「標準は85cm」とのこと。

5cm高くした理由は、夫もキッチンを使うことを考慮したから。そのほうが、使いやすいだろうと考えたのです。

ワークトップの最適な高さは諸説あります。たとえば、国内メーカーは「身長÷2+5cm」、海外メーカーでは「肘の高さ−10cm」が最適と言われることが多いそう。

いずれの考え方にせよ、158cmの筆者の基準で考えれば、85cmの高さがよさそうです。しかし、172cmの夫も使うとなれば、もう少し高いほうが好ましい。そこで、90cmを採用したというわけです。

なお、採用に当たっては、事前に、高さ90cmのワークトップを採用した友人宅で実際にキッチンを使わせてもらって、問題がないか確認しています。

1年半使ってきた感想はというと…。高すぎて不便と感じたことは、一度もなし。快適に使えています。ガスコンロを採用していたら、五徳のせいでさらに高さが出ることになるので、不便を感じたかも。フラットなIHキッチンであることも、違和感なく使えている要因かもしれません。

また、ワークトップとともにシンクも高くなったことで、洗い物をしている際、腰に負担がかかりません。むしろ快適さを感じる場面もあります。

当然、私より背の高い夫も、「このキッチンが使いやすい」とのことでした。

以上、家族みんなが使いやすいようにつくった、わが家のキッチンを紹介しました。今のところ、夫婦で快適にキッチンに立っています。