ESSEonlineに掲載された記事のなかから、夏休みに読みたい「子育てジャンル」のヒット記事をピックアップ!

身近な食材で子どもがモリモリ食べてくれるレシピを提案し続け、ESSE読者にもおなじみの料理研究家・みきママさん。この春から、長男が最難関国立大学の一年生になりました。長男、高1の二男、小学生の長女を育てるみきママさんに、個性が異なる子どもたちと向き合い、つきあっていくコツを伺いました。

記事の初出は2023年4月。内容は執筆時の状況です。

みきママさんインタビュー。個性の違う3人兄妹の「やる気」を引き出すコツ

――ブログでは「はる兄」としてもおなじみの、みきママさんの長男。この春、受験勉強を乗り越えて現役合格した学校は、最難関の国立大学。親としてどんなサポートをされていたのでしょうか?

みきママさん(以下・みきママ):勉強に関しては、本当に本人のがんばりが100%だったと思います。とくに高校3年生の最後の一年間は、将来を見据えてしっかり学ぶ姿勢が感じられて頼もしかったですね。じつはそのころ、私と元夫は離婚について話し合っている段階で、思うところもあっただろうに、努力を重ねたのは彼の強さに他なりません。

私が心がけていたのは、勉強漬けの日々の中で息抜きになるようにごはんをつくり続けること。受験生って、食べる時間だけがほっとできる時間。塾から帰ってきた彼にごはんを出して、話し相手になっていました。

●一時は「高校を辞めたい」とまで言っていた長男。受験勉強へ気持ちを切り替えたきっかけは?

――そんな長男は、受験勉強に向き合う前、一時は「高校を中退したい」と悩んでいた時期もあるといいます。みきママさんは長男に対し、どのようにやる気を引き出したのでしょう?

みきママ:長男は、高校受験の際に第一志望の学校へ落ちて、第二志望に通うことになったんです。もちろんその学校でも学びが得られるはずなのに、『高校を辞めて、大検の資格を取りながら大学入試をする』と言い出すほど、進路が見えず、迷っていた時期がありました。でも、そこまでできるのは本当に優秀な人。言いだした時点の彼の実力では厳しいと思ったので、学校は辞めさせないよ、とは言いました。

そこで私が考えたのが、長男が興味を持ちそうな職業についている大人たちに会わせること。大学受験を経験し、卒業後、自分がやりたい仕事についている大人たちと触れ合ったのは、彼にはいい刺激となったみたいで。なぜ高校へ通い、卒業し、大学受験をするのか。そして学びたいことの先にある自分の未来像がクリアになり、主体的に学ぶ意欲が湧いてきたみたいでした。

●「俺は一生ゲームをして暮らしていく」と言い放った二男が、勉強を始めたきっかけは…

――さらにみきママさんは、高校1年の二男にも「最近、学びへのやる気スイッチを押すことができたんですよ〜!」と、笑顔で語ります。

みきママ:彼は中学受験で希望の学校へ入ったのですが、内部進学ならではの安心感も相まって、中学時代は趣味のゲームにとことんハマってしまって。そこまで好きならばと、『ゲーム実況してみたら』、『プログラマーやゲーム開発者という仕事もあるよね』など、ゲームを切り口に勉強をさせる方向へ持っていこうとするも、どれも大失敗。結局は、彼のゲーム漬け生活を、親の私が助長してしまう結果に(苦笑)。『俺は一生、ゲームだけして暮らしていくから』とか言われて。これは本当に悩みましたね〜。

転機になったのは、なんと“自室の模様替え”。長男の大学入学祝いと同時に、息子たちの部屋を、少し大人っぽくしてあげようと思ったんですよね。そこで2人に『ベッドを新しくしてあげる』と、ニトリへ下見に連れて行ったんです。2人とも大喜びする中で、二男が10万円近くするベッドを欲しいと言いだして。わが家からしたら、相当な値段です。すかさず『なにもしないで10万もするベッドなんて買わないよ!』、買うときまでに、目標を決めときなさい!』と。ついでに『あのゲームだらけの部屋にベッド置ける? それに今の部屋ってさ、仲のいい子たちを気軽に呼べるような状態だったっけ?』と、さりげなく片づけの提案も(笑)。

すると二男なりに思うところがあったらしく…。『勉強、がんばります』『大学受験を見据えてやります』と。まさかこんなところに彼のやる気スイッチがあったとは! という感じでした。さらに『せっかく大学受験を目指すんなら、希望の学部も設定しなさい』と言ったら、『理工学部で勉強してみたい』という返事まで。二男の将来への目標がクリアになってきたことで、私自身もほっとしました!。

●長男、二男、長女。子どもの性格や成長過程に合わせて、学びへの誘導も変えています

――長男、二男、そして小学生の長女も含めて、みきママさんが心がけているのは、3人それぞれの個性を認め、接し方を微調整すること。

みきママ:長男はさりげなくプレッシャーを与えると伸びるタイプ。逆境にも強いほうかもしれません。大学受験前は、彼の話を聞きながら『本当に受かるの!?』とか、『油断してると成績落ちるよ!』など、わかりやすく背中を押していました。

二男は頭ごなしに勉強しろと言っても響かないし、親がはっぱをかけすぎると凹むタイプ。長男よりソフトな伝え方を心がけ、自分の失敗談をユーモアを交えながら惜しみなくさらしています。

そして長女は、3人の中で一番自由気ままというか。楽しいことが大好きなタイプで、隙をみてはtik tokを見ています(笑)。彼女の気質は大事にしつつ。まだ小学生ですし、たくさんの体験をさせて、彼女が好きなものを、彼女自身で見つけ出せるように見守っていきたいですね。