なかなか服が処分できず、クローゼットがいつもパンパン。「今日着る服」がなく、次々と新しい服を買ってしまう…。そんな人はいませんか? ライフオーガナイザー・ファイナンシャルプランナー・家計アドバイザーの下村志保美さんが、片づけの仕事上で気づいた「手放したい服」について教えてくれました。

「なぜか着ない服」をクローゼットから追い出すコツ5つ

整理収納サービスの仕事でお宅に訪問すると、「まだ着られるし着たいのだけれど、なぜか着ない服」をたくさんお持ちのお客様がいます。

【写真】昔は好きだったのに今着ない「死蔵」服

多くのお客様の抱える「着たいけれど着ない服」の共通点を探ってみました。

●1:胸元の大きく開いた服

私自身、少しでも顔まわりをスッキリさせたくてVネックの服や下着が見えない程度に胸元が開いた洋服を選ぶことが多かったのですが、数年前からそういう服を着るとなんだかやつれて見えるような気がしてきました。

これは加齢とともに肌のハリ感が下がる影響で胸元周りのお肉も下がっていった結果、デコルテ周りがげっそり見えるからのようです。

こういった服がお気に入りなのに着ないのは、心のどこかで「きれいに見えないな」という気持ちがあるのかもしれません。下着が見えるような服は論外として、今までの自分の好みのラインの服も、今一度見直す必要があるかと思います。

●2:肉感がわかる薄手の服

体重の増減に関わらず、背中のお肉も若い頃に比べるとハリを失い、やわらかくなってきます。

そうするとブラジャーの上にお肉がのっかったり、食い込んでいるように見えたり。

またボトムスも要注意。お尻のお肉が下がってきているので、下着のラインが若い頃より響きやすくなります。

下着を買い替えるのも手ですが、服を買うなら今までより少しだけ厚みのある素材を選ぶ、少しだけゆとりのあるサイズ感の服を選ぶといいようです。私も肌のハリが衰えてきた分を、服の素材で補うようにしています。

●3:窮屈な服、動きにくい服

体の機能的な面で見ると…20代、30代の頃はつまづくこともなかった小さな段差に引っかかったり、とっさに避ける反射神経が鈍ってきたり、などの問題にも直面することが増えます。

安全面を考えても、服を選ぶ際に「動きやすさ」「ストレッチ性」をぜひ考えてみてください。

実際に整理収納サービスのお客様に「どうして着ていないのか」理由を考えてもらったところ、「なんだかきつい」「腕が上がりにくい」「足を曲げにくい」などの着心地が理由になっていることがとても多いです。

●4:「着たい服」と「似合う服」は違う

クローゼットにたくさん洋服があるのに結局着ていない服ばかり、そして「着る服がない」と新しく洋服を買うものの、やっぱり「着る服がない」。

その原因は、40代後半から「着たい服」と「似合う服」にズレが出てくるからです。

「昔似合っていた服」の方はまったく変化しませんが、自分自身は年を重ね、たとえ体重やサイズが変わってなかったとしても、顔や肌の質感などは大きく変化しています。

たとえば18歳のときと体型が変わってなかったとしても、50歳女性が高校生のときに似合っていたセーラー服を着たら…。セーラー服自体はなにも変わってないけれど、明らかに似合わないですよね。

50代といえば子育て時期も終わり、これからのシニア生活への準備期間だと私は考えています。今からの自分をすてきに見せてくれる服を選び直すよいタイミングではないでしょうか?

●5:着ないとわかった服は、寄付すれば心苦しくない

とはいえ、まだ着られる服をポイと捨ててしまうのは心が痛いし、リサイクルショップに持っていってもびっくりするような安い金額にしかなりません。

私はクローゼットを片づけたいというお客様には、事前に古着deワクチン(3300円)を購入していただいています。クローゼットを片づけながら、「着られるけれど着ない服」「着られるけれど似合わない服」をぽいぽいと袋に入れるだけ。

値段に送料も含まれていますので、袋がいっぱいになったら宅配会社に集荷に来てもらえばOK。手間もかかりません。

私たちが古着deワクチンを1つ購入すると途上国の子どもたち5人分のポリオワクチンが寄付されますし、国内の障害者作業所の雇用、そして途上国でこれらの服を販売するという現地での仕事をも生み出します。

もちろん私たちも気分よくクローゼットを片づけることができます。

50代!これからの人生を軽やかに生きるためにも「似合う服」だけのクローゼットを目指したいですね。