70代こそ楽しみたい「帽子」おしゃれ。シンプルな服装でもパッと華やぐ
長年、ドラマ作品の衣装スタイリングなどを手掛けてきた西ゆり子さん。72歳の現在も現役のスタイリストとして活躍しています。そんな西さんのコーデのかなめは帽子。かぶるだけでパッと印象が変わる帽子について教えてもらいました。
70代・西ゆり子さんの「帽子コーデ」
アイドルのスタイリングをしていた30代の頃、洋服の歴史をひもといて、西欧では「帽子と手袋は必須アイテム」ということを知りました。そういえば、ヨーロッパの王室の方々は正式な場に出席するときは必ず帽子をかぶっていますし、日本の皇室も同じです。それ以来、タレントさんのスタイリングをするときや、自分自身の着こなしを考えるときも、帽子は私に欠かせないアイテムになりました。
●“自分らしさ”は帽子で演出
長年、愛用しているのは日本人の頭の形をいちばんきれいに見せてくれるアキオ・ヒラタの帽子です。ニットやファーの帽子も寒い季節には欠かせません。帽子は本当に便利です。暑さ、寒さを防いでくれるだけでなく、ポロシャツにコットンパンツといったシンプルな装いでも、そこに帽子をひとつかぶるだけで、たちまちおしゃれな着こなしに早変わり。ゴミ出しに行くようなラフな恰好でも、帽子をかぶって、私は平気でお出かけしちゃいます。
●出る杭をわざわざ打ちに来る人はもういない
もうひとつ、私にとって帽子は自分の個性を演出するためのアイテムです。基本的にコンサバな服が好きなので、奇をてらったデザインの服を着ることはありません。でも、ベーシックな装いに個性的な帽子をひとつプラスするだけで、
「ん?ヘンな帽子をかぶってる!」
って、すれ違う人たちが振り返る。
「ヘンな帽子」と思われたら大成功! 私にとっては最高の褒め言葉です。「出る杭は打たれる」という言葉もありますが、70代にもなれば、もはやだれかがわざわざ杭を打ちに来ることもありません。だから、毎日、鏡の前でにらめっこ。
「今日は、どんな帽子がいいかしら?」って。
西さんにとっての初めてのフォトエッセイとなる『Life Closet 服と共に生き、服と共に笑う』は扶桑社より発売中。ファッションにまつわる哲学を、これまでの人生エピソードとともに語っています。