子どもの「教育資金」、いつどのくらい必要なのか知っておきたいですよね。「大学入学までに1人当たり500万円貯めておきたい」と教えてくれたのは、ファイナンシャルプランナーの前田菜緒さん。教育費の貯め方の正解を聞いてみました。

教育費、どうやって貯めるのが正解?

安定の貯蓄+投信積立の2本柱で貯めましょう。

●子どもが中学生までなら世帯年収の10%以内に

一般的に、準備が必要な教育費は大学費用。貯めるべき額を、子どもが大学に入学するまでの年齢で割ると、年間の貯蓄額が見えてきます。

「安全に貯められる預貯金や学資保険などと、投信積立の2本柱で貯めるのがおすすめ。とくに学資保険は、子どもが生まれたらすぐに始めることが大切です。しかし、安定な貯蓄は低金利でほとんど増えないので、『つみたてNISA』で増やす貯蓄を行いましょう。長く続けるほど元本割れのリスクが軽減します」

貯蓄を継続するために、中学までは教育費を世帯年収の10%以内に抑えるのも大事なポイント。

「とにかく貯蓄を最優先に。習い事は予算を決めて、余ったお金で行いましょう」

●思うように貯蓄できない場合、固定費の見直しで支出を減らす

貯蓄がなかなか増えないときは、固定費の見直しが効果的。

「スマホを格安プランに変更したり、住宅ローンを見直したり、保険も必要なものだけ残して解約。習い事も多すぎるようなら厳選を。先取り貯金せずしてお金は貯まりません」

つみたてNISAは2023年12月末で新規の積み立ては終了します。2024年からは新NISA「つみたて投資枠」で積立運用を行えます。また、投資は元本割れのリスクがあるため、自己責任のうえで投資してください

安定の貯蓄と投信積立、理想のバランスは6:4

教育資金は、安全に貯められる預貯金や学資保険をベースに、つみたてNISAの運用で増やしましょう。

●児童手当/大学資金として貯蓄を

中学卒業まで支給される児童手当は、全額貯めると約200万円に! 「使い込まないように、生活費とは別の口座で貯めましょう。さらに、臨時で支給される子育て給付金なども預けておけば、無理なく教育資金がつくれます」

・メリット…すべて貯めると200万円
・デメリット…特例給付の場合、すべて貯めても90万円
・注意点…使ってしまわないように別の口座での貯蓄を

●学資保険/ハードルが低くリスクも少ない

保険料を支払っていくと、満期でお金がもらえる保険。「貯蓄が苦手な人でも強制的に貯められ、親に万が一のことがあったときのリスクにも備えられます。ただし、予定利率が低いので、加入は出産前〜0歳の間に」

・メリット…貯蓄とリスクに備えられる
・デメリット…ほとんど増えない
・注意点…0歳で入らないと、返戻率が下がる

●つみたてNISA/長期の積立で元本割れのリスク減

長期・分散・積立に適した投資信託に、毎月少額ずつ投資する制度。利益が非課税で、効率よく運用できます。「長く続けるほど元本割れのリスクが軽減するため、10年以上積み立てることを目標にしましょう」

・メリット…増える可能性がある
・デメリット…元本割れリスクを減らすために長期期間が必要
・注意点…解約のタイミングは狙いすぎず、必要なときでOK

●財形/先取り貯蓄で貯めやすい

月収やボーナスから、あらかじめ決めた額を天引きして貯める積立貯蓄。「先取りで確実に貯められ、出金は勤務先などに申請が必要。引き出しにくい点が貯めやすいメリットに。勤務先によっては、利息を上乗せしてくれる場合もあります」

・メリット…給料天引きで確実に貯まる
・デメリット…金利が低い
・注意点…会社に制度がないと利用できない