ものの少ない身軽な生活を送りたい。そう思っていても、家族で暮らしていると、減らすのは難しいですよね。とくに子どもが小さいうちは、ミニマリストなんて夢のまた夢…というご家庭も多いかもしれません。

30代のブロガー・ponpocoさんは、夫、中学生の息子、幼稚園児の娘の4人暮らし。子育て中でもミニマルライフを送っています。
ここでは、著書『200着の服を8割減らしたらおしゃれがずっと楽しくなった』((扶桑社刊)より、子育てとミニマルライフの両立についての文章を抜粋して紹介します。

 

子どもがいたらミニマリストを諦めるべき?

子どもがいると、とにかくものが増えます。その量は夫婦2人暮らしの比ではありません。ミニマルライフと子育ての両立は難しいのでしょうか?

結論から言うと、ミニマリストを諦めなくても大丈夫です。ただし、子どもに必要なものはミニマルライフと分けて考え、ものが増えても仕方ないと割りきる覚悟が必要になります。とくに乳幼児の間は哺乳瓶、おむつ、ベビーカー、抱っこ紐、専用の食器、オモチャ、絵本などスペースを取るものがたくさんあり、家中がものであふれて、ため息をつきたくなる日もあるかもしれません。

しかし、これは一時的なもので、多くの場合は小学校高学年になるまでにだいぶ落ち着いてきます。わが家の場合、子どもが小さい頃の数年間は、大人の持ちものを減らすことに注力して、全体の数が増えすぎないように調整していました。

個人的には、子どもの私物は無理にミニマル化せず、成長に合わせて本人に管理を任せる方がいいと考えています。ものの要・不要をはじめ、子どもにはなんでも自分の頭で考えて判断できるようになってほしいからです。

まだ小さいうちは収納スペースを決めておき、「オモチャはこの箱に入るだけにしようね」と管理できる上限を教えてあげるといいと思います。

子どもがミニマルライフを好きになるかどうかは、子ども自身が決めること。リビングや子ども部屋が散らかり放題になることもありますが、それも成長の過程だと見守ることにしています。

 

●子どものうちに身につけておきたい感覚

わが家では、子どもにできる範囲で掃除や片づけの手伝いを頼んでいます。「清潔だと気持ちいい」という感覚を子どものうちに身につけさせたいと思っているからです。
清潔感があると人から好印象を持ってもらいやすいし、キレイに掃除した部屋は衛生的で病気になりにくいなどのメリットがあります。“清潔に過ごすこと”は本人のためになるのです。

また、掃除や片づけを通して、子どもの段取り力や工夫する力が伸びていると実感しています。息子は片づけが苦手で、いつも教科書やプリントがごちゃごちゃでしたが、何回も片づけを繰り返すうちに、だいぶテキパキと整理整頓できるようになりました。どうすれば早く片づけられるか、自分が使いやすいか、だんだんわかってきたようです。

 

●自分で要・不要を見極め、自分の意思で手放す練習をする

月1回くらいの頻度で、廊下などに袋を置いておき、子どもに「もう遊ばなくなったオモチャや、読まなくなった本があれば入れておいてね」と声をかけています。自分でいるものといらないものを見極められるようになるための練習です。なにも入っていないときもあれば、数点入っているときもあります。
わが家では下の子が5歳になった頃から始めました。親に黙って捨てられてしまうと納得がいかないことも多いと思うので、本人の意思で手放すことが重要だと考えています。子どもが小さいうちは、親がつき添って一緒に仕分けをするといいかもしれません。

●子どもの持ちものはカラフルでいい

最近シンプルなデザインで、モノトーンやくすみカラーのおしゃれな子ども服・おもちゃ・行事グッズをよく見かけます。視覚的ノイズが気になるミニマリストとしてはもちろんうれしい流行ですが、わが家の子どもたちは大人のそんな思惑は一切関係なく、自分の好きなものを自由に選んでいます。

娘はかわいいキャラものや、ピンクやイエローなどの華やかな色が大好きで、服もオモチャも色と柄にあふれて大渋滞状態。でもこれでいいのです。私だって子どもの頃はカラフルなものが好きだったし、今もこうして自分の好きなようにミニマルライフを楽しんでいるのですから。子どもたちには自分の“好き”を大事にしてほしいと思っています。

 

●子どもの作品は最高のアート

子どもが学校から持ち帰った作品は、しばらく家の中に展示して楽しんでいます。数週間後に本人に残しておくかどうか確認して、もういらないと言ったら写真を撮って処分。本人がとくに気に入っている作品は、額縁に入れて何年も飾ることもあります。来客の方に褒められて、子どもたちもうれしそうです。おしゃれなポスターもすてきですが、子どもたちの作品は“今しか描けない最高のアート”なので、これからも存分に楽しみたいと思います。
ちなみに子どもたちからの手紙は、処分せずに取ってあります。天然ミニマリストでものにあまり執着がない夫も、子どもたちからの手紙は別のようで、「死ぬ前に読み返したいからファイルに残している。子どもたちが反抗期になって喧嘩したときはこれを読んで心を落ち着かせるよ」と言っていました。

 

ponpocoさんの著書『200着の服を8割減らしたらおしゃれがずっと楽しくなった』(扶桑社刊)では、だれでも服を8割減らせるコツや、狭小住宅でも快適に暮らす収納など、無理せず自分らしいミニマルライフを実現するためのヒントが書かれています。