ペットの柴犬の写真をツイッターに投稿し続け、その自然体のかわいさが人気となっている@inu_10kg。ESSEonlineでは、飼い主で写真家の北田瑞絵さんが、「犬」と家族の日々をつづっていきます。第60回は犬からの「夏のごあいさつ」についてつづってくれました。

9歳になった犬と過ごす、暑い夏

犬を愛する皆さま、暑中お見舞い申し上げます。地獄のような暑さが続きますが体調など崩されていませんか?

犬の散歩にもサマータイムが導入されました。朝は早めて夕方は遅くしている。朝6時30分頃の散歩道は涼しくてとにかく快適。夜をはらって明けた空は雲ひとつなく真っ青で「すばーらしい朝がきたっ希望〜の朝だっ」なんて口ずさむほど。

でもそれも1時間も経てばすっかり暑く、その時分には冷房のきいた部屋でふたりそろって転がっています。

日中は日陰であっても余りに暑いので犬は室内で過ごしています。部屋は退屈、外に行きたいとか思うんかな。炎天下のもと農業から帰ってきた母親は「犬ちゃん、外暑いわぁ。ここでおり」と言葉を掛けているけど、「はいはい」って返事してんかな。

とはいえ、生き物として不健康にならんよう朝夕の日陰のほんまにほんまの涼しいときは庭で過ごす。そのとき自分はダウンジャケットを羽織ってここでおれるんかと考える。夏毛になると犬からしたらダウンジャケットって程でもないのかどうなのか。

今はもう完全に夏毛ですが、冬毛から生え変わるまで、昨年にくらべて時間が掛かりました。毛が抜ける量もすこしずつで、ゆっくり生え変わっていった。何故かと調べたら、どうやら老化でした。“老化に伴い体質が変わり毛の成長が遅れ、換毛期の周期にズレが生じる場合がある”と書いていました。

代謝が低下したり、身体機能が変わってくるようです。こまめなブラッシングで古い毛を取り除き、マッサージ効果として血行をよくしたり、皮膚を清潔に保つといいらしい。

●年齢を重ねて思うこと

犬は9歳(人間年齢に換算したら約52歳)になりました。まだおじいちゃんではないが、若者かと言うとそうでもないお年。9年を生きた分だけの風格が見える。そして同様に私も年を取る。犬がやってきたときは23歳で今年32歳となった。

「やっと涼しくなったなぁ」日が暮れた散歩道。私の声はけたたましい蝉の鳴き声にかき消されずに犬に届いているのだろうか。じっと犬を見つめれば、白髪が生えはじめて以前と比べてうっすら白い毛並み。9歳の犬と32歳の私。ふと共に老いる喜びと、共に生きる切なさが泉のように湧いて、心のひだが震える。これが“ぬくもり”ってやつだろう。ほんで犬でも人でも青い時代を過ぎてからがまた一際おもろくなるんよな。どの年代になっても「“今”が一番おもろい」と思い続けたい、もちろん犬の隣で!

いやはやしかし暑さの厳しい日々、どうか健康第一でご自身を大切になさってくださいね。私も自分と犬の健康管理を心がけます。そしてみなさまが心身ともに健やかに夏を過ごせますよう、和歌山からお祈り申し上げます。