家づくりで間取りを考えるとき、トイレの位置はリビングに近い方がいいか、離れていた方がいいのか悩むもの。5年前にハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターは、リビングからいちばん離れた、玄関横にトイレをつくることに。実際に暮らしてみると、においや音の軽減、来客時の使用、子育てのしやすさといった点でたくさんのメリットがありました。

間取りの検討であと回しになったトイレは玄関横に

筆者は夫と小学生の子ども2人の4人家族。複数のハウスメーカーを見学し、5年前に地域密着型のハウスメーカーで2階建ての注文住宅を建てました。

間取り作成のとき、リビングやキッチンなど、優先順位の高い間取りから決めていったこともあり、トイレの位置は最後に決まりました。

 

トイレは1階と2階に、それぞれひとつずつ。リビングと同じ1階のトイレは、玄関の隣の位置に。リビングからは、いちばん離れた場所となりました。

リビングで過ごす時間が長いことを考えると、リビングからもう少し近いほうが使いやすいかも…。家づくり当時は、そう思ったこともあります。

しかし、でき上がった家に実際に住んでみると、リビングから近い必要はなく、むしろ離れていたほうが使いやすいことに気づかされました。その理由を説明しましょう。

 

トイレで気になるのは、においと音

間取り図にあるように、わが家のトイレはリビングから離れています。加えて、トイレとLDKの間には「玄関ホール+ドア(LDKの出入り口)」がある間取りです。

この2つの条件のおかげで、リビングだけでなくダイニングやキッチンにいるときも、トイレの音は聞こえません。また、においも気になりません。

リビングは、家族がくつろいだり食事をしたりする場所。そのことを考えると、においがしたり音が聞こえたりするのは、家族といえども気持ちのいいものではありません。

来客のあるときも、気にせずトイレが使えるので、リビングから離れた場所にしたのはとてもよかったと思います(もちろん来客にも、気兼ねなく使えるメリットが)。

 

じつは移動するときにトイレに行くことが多い

暮らしてみて気づいたことですが、筆者がトイレに行くのは、なにか別のことをするタイミングで使うことが多いということ。

たとえば、食事をつくるためにキッチンに移動する前、出かける直前、帰宅後、入浴前など。

リビングでゆっくりしていて、その最中にトイレに向かうというよりも、別のスペースに移動するときにトイレを使うことの方が多いのです。なのでリビングの近くじゃなくても問題ありませんでした。

もちろんこれは、あくまでも筆者のケースとはなりますが…。

玄関の近くは意外にメリットが多い

当初は筆者も、玄関の近くにトイレがあると、使いにくいのではないかと気になっていました。たとえば、家族が玄関先で来客対応しているときに、筆者がトイレに行きたくなるケースなどです。

しかし実際に暮らしてみると、玄関先でそこまで長い時間話すということは、ほとんどありません。

玄関先で家族が来客対応していれば、少しガマンするか、わが家は2階にもトイレがあるので、そちらを使用することで解決しています。

ちなみに、玄関の隣のトイレといっても、玄関先からは見えない位置です。トイレから出たときに、来客と顔を合わせることもありません。ですから、特別困った経験はなし。

それに、子どもたちも庭で遊んでいるときや、学校からの帰宅直後にすぐトイレに行けるのはとても使いやすいようです。

子どもは遊びに夢中になっていると、トイレをガマンしてしまうことが多い様子。外から帰って来ても、「トイレ! トイレ!」とあわてて駆け込むことが多いです。一緒に遊んでいた子どもの友達がトイレを使いたいときも、家の奥まで通さなくてもいいので貸しやすいです。

もちろん子どもだけでなく、大人も靴を脱いですぐトイレに入れるのは、急いでるときにはとても助かります。

 

トイレは洗面脱衣所に近いとさらに便利

わが家の場合、トイレは玄関に近いだけでなく、洗面脱衣所の隣という位置にあります。

トイレトレーニング中や家族が胃腸炎などのときにもこの位置関係がとても便利でした。トイレで衣類を汚してしまったときにもすぐ浴室で洗ったり、脱衣所で着替えたりできます。

こういった理由からわが家の場合、リビングから離れた、玄関に近い場所にトイレをつくったことは結果的に正解でした。

間取りの関係や家族構成などでも、使いやすい場所は家庭によってそれぞれかとは思いますが、トイレの位置を決めるときの参考になれば幸いです。