74歳の夫、97歳の義母、46歳の息子の4人で暮らす、71歳のYouTuber・もののはずみさん。

老いとうまくつき合いながら日々を楽しく暮らすもののはずみさんの、シニア世代の家族暮らしのヒントをつづった『71歳、74歳夫と97歳義母と大人だけで楽しく暮らす』(ワニブックス)が話題を集めています。ここでは、年齢の異なる4人で暮らすからこその食事の工夫について、抜粋してご紹介します。

【写真】97歳の義母も食べやすいコブサラダ

大きさや硬さを工夫して、家族みんなで同じ料理を食べます

「もう年だから、揚げ物や肉は好まないだろう」

私と同じ年頃で親と同居する方から、そんな話を聞きました。だから、調理を控えているというのです。

たしかに高齢者向けのレシピを見ると、魚と野菜が中心だったり、さっぱりした味つけだったり。家族とは別の料理を用意する人もいるようです。

義母は以前に比べて食が細くなったものの、食べることが大好き。食卓に好みの料理や珍しい食材が並ぶと、会話が弾んで目も輝きます。食卓がパッと明るくなるので、わが家はできるだけみんなで同じものを食べるようにしています。嫌いなものは魚のサバくらいで、なんでも食べる義母ですが、さすがに歯が弱くなり、硬いものは食べづらくなってきました。

●食材は食べやすい大きさにし、噛みやすく

そこで、食材は食べやすい大きさにし、噛みやすくします。野菜をさいの目に切るコブサラダなどは最適で、義母も好きなメニュー。

生春巻きの具も、目の細かなスライサーで細めにカット。カップに入れたり、皮で包んだりすれば、口元に運びやすくなります。

●歯が弱くなってくる年齢だからこそ、食べやすい工夫を重ねて

肉は、厚みや大きさを工夫します。たとえば、焼き肉にはすき焼き用、とんかつには豚こま切れ肉を使います。豚こま切れ肉を小判形にまとめたとんかつは、箸を入れるとほろりと崩れて食べやすいです。

また、豚肉と白菜を交互に重ねてじっくり火を通した煮物は噛みやすく、たくさん食べてくれます。煮汁にはとろみをつけ、喉の通りをなめらかに。

硬い野菜も、火を通して噛みやすい硬さにします。ニンジンのクルミ和えは、ニンジンとタマネギ、ニンニクを電子レンジで加熱(600Wで約5分)。クルミはビニール袋に入れてめん棒で砕き、炒って香りを出します。

歯の問題は、義母だけの話ではありません。私たち夫婦も、歯が弱くなってくる年齢。これからも、食べやすい工夫を重ねて、みんなで同じ料理が食べられるといいな、と思います。

『71歳、74歳夫と97歳義母と大人だけで楽しく暮らす』(ワニブックス)では、ここで紹介した以外にも、もののはずみさんの“年を重ねても明るく、簡単に暮らす”ための家事や心と体の整え方、家族とのつき合い方などのアイデアをたっぷり掲載しています。