編集部が気になるインスタグラマーをピックアップ。妻の実家である築40年の戸建てに移り住み、東京にいながら田舎のような暮らしを楽しむ古田さんに、いろいろ質問してみます。ズボラでも楽しくラクにできるDIYで、押し入れや畳、砂壁など古家ならではの要素をプラスにチェンジ! 心にゆとりが生まれる古家暮らしについて聞きました。

Q1.最近の投稿で反響が大きかったものは?

Before→Afterを紹介する投稿はいつも反響が大きいのですが、なかでも好評だったのはLDKにあった押し入れを書斎スペースに変えたDIY(上の写真)。

 

床にはタイル、壁にはベニヤ板、そしてふすまを格子戸に替えたことで見違えるようなスペースに。

以前は古家での暮らしやインテリアについて投稿していましたが、DIYについての投稿をするようになってからは、やり方や素材についてのコメントをたくさんいただくようになりました。

 

Q2.そもそもインスタを始めたきっかけは?

仕事に忙殺される生活スタイルを変えようと、妻の実家に家族3人で移り住みましたが、なにしろ古くて…。

でも、古いのがイヤなのではなく、古くさいのがイヤなだけなんだと気づいてからは、新築にはない古家の可能性や魅力を楽しめるように。

次第に、諦めながら古い家で暮らしている人へ、古家をより魅力的にする方法やマインドを伝えたくなってきて、古家暮らしやDIYについて投稿するようになりました。

 

Q3.問い合わせの多い素材は?

畳の上から敷いたニードルパンチカーペットは、よく質問をもらいますね。グレーの床にしたかったので取り入れてみました。

 

本来は家の床材に使うような素材ではないのですが、ハサミで切ってタッカーで留めるだけなので、少ない道具で簡単にDIYできます。

6畳で1万円ほどと安価なのも魅力です。簡単にはがせるので、天日干しをしてカビ対策もできるし、軽いので不要になったときに撤去するのもラクですよ。

 

Q4.DIYは以前から得意でしたか?

自分自身、もともとズボラな性格で面倒かつ難しいことは苦手。なので、わたしが実践しているDIYはどれも簡単かつ少ない工具でできるもの、工法や設置が難しくないものばかり。

 

書斎スペースの床タイルは固定せず置くだけ、壁は無理にはがさず上から塗るだけ、格子戸は障子紙をはがすだけ、など。

 

初心者がひとりでもできる簡単DIYがほとんどですが、工夫次第で雰囲気をガラッと変えることができます。

Q5.家の中でとくに気に入っている場所は?

どこも気に入っていますが、いちばんはトイレかな。

 

クロスをはがすのが面倒だったので、クロスの上から塗料を塗り、窓側の壁にはワトコオイルでラワン色に塗ったベニヤをタッカーで張りました。

 

レトロな雰囲気のラワンベニヤが大好きなので、この空間はすごく落ち着くんです。

シンプルなデザインのトイレットペーパーホルダーはtoolboxのもの。床材には廊下に使ったニードルパンチカーペットの余りを敷いています。

 

Q6.「東京で田舎のように暮らす」とは?

田舎暮らしに憧れるという話を聞きますが、よくよく聞いてみると「自然豊かな田舎での暮らし」がしたいのではなくて、「趣きある古民家での暮らし」をしたい人が多いんですよね。

であれば、ハードルの高い地方移住は必須じゃない。都心の戸建てやマンションで趣ある古民家風の住まいをつくってしまえば、憧れの古民家暮らしは東京でも実現できるんです。

 

Q7.今の暮らしのどこが気に入っている?

自分でDIYしながらの古家暮らしで、以前よりも心がぐっと穏やかに。自分で手入れをするので、住まいへの愛着も深いです。

 

毎月の返済額が重たかった住宅ローンがなくなって家の固定費は下がったし、あれこれ欲しいという欲や変な見栄もなくなって、より自然体で暮らしたり、小さなことに幸せを感じたりできるようになりました。次は畳張りの寝室に無垢材を置いてみようかなと計画中です。

●古家の古田さん
リノベをせずに“復元”して古家の魅力を引き出す。築40年の妻の実家に住みながら既存を生かした古家DIYを発信(フォロワー約6.6万人 ※2023年7月末現在)し、“和室”に光を当てるべく活動中。アカウント名@igusa_estate