帰省シーズン、年を重ねた親の住む実家を見て、終活を考えてしまうもの。ところが家族間のことなのに、スムーズに進まないことが多いと言います。そこで、親子で気持ちよく片づけをするために心得ておきたいことを、片づけヘルパーの永井美穂さんに教えてもらいました。

実家の片づけの際に心に留めておきたいこと

親子で気持ちよく片づけを進めるために、心得ておきたいことを6つ紹介します。

 

●1:長期戦になることも視野に入れる

片づけはあくまで親のペースで進めるのが鉄則。
「一気に片づけたい気持ちを抑え、親の気持ちや体力、都合を最優先にしながら進めましょう。そのときの状況を見ながら数回にわたって訪れるなどして、少しずつ片づけていくように。焦らない気持ちが大切です」

 

●2:勝手な判断でものを捨てない

どうせ把握していないからと、親のものを勝手に捨てないこと。
「自分から見たらガラクタでも、親にとっては大切なものかも。ゴミのように勝手に捨てられることほど、悲しいことはありません。小さなものでも必ず親の意見を聞いてから処分方法を決めてくださいね」

 

●3:「捨てる」「汚い」「こんなのいらない」はNGワード

自分には不用品に見えても、はっきり「捨てる」と伝えるのはNG。
「親自身がそう言われている気分になることもあるので、親子の仲でも言葉選びは慎重に。片づけは捨てることだけではありません。もし、使っていないものなら捨てる以外の選択肢を一緒に考えてみて」

●4:すっきり&きれいが目的ではない

年をとると、背伸びやしゃがむ動作が難しくなるもの。必然的に手が届きやすいところを中心にものを置くことから、雑然とした部屋になるケースも多いそう。
「とはいえ、無理にものを減らしてすっきりさせる必要はありません。親が使いやすい家にするのが目的です」

 

●5:最終目標は親が使いやすく安全な家

片づけのゴールは、親が快適で安全に暮らせる空間づくり。
「インテリア雑誌で見るような収納を押しつけないことも大切です。たとえば、見た目重視で収納を白いケースに統一したとしても、親自身がものの場所を把握できなくなれば、暮らしにくい家になってしまいます」

 

●6:実家は親が住む場所。自分の思いどおりにしない

実家だからといって、自分の家ではなく、あくまで今は親の住む家。
「実家を片づけておくと々は自分のためになりますが、親が元気なうちは親に心地よく暮らしてもらうことが先決。娘はあくまで親のやる気スイッチを入れ、手伝う役割です。親ファーストで片づけを」

 

『これからの暮らし by ESSE vol.05』では今回紹介した以外に、50代〜60代の暮らし上手さんが「やめてラクになったこと」、老けない美容とファッション、どっちがおトク?、夏野菜おかずレシピなど、暮らしに役立つ情報が満載。