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年齢を重ねると、家の中で転倒してケガをする危険などもあるため、できるだけスッキリとさせて暮らしたいもの。ここでは、50歳から本格的にミニマムな暮らしをスタートさせたという、カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さんに、年齢を重ねてからの片づけで、真っ先に手放すべきものを教えてもらいました。

※記事の初出は2022年8月。内容は執筆時の状況です。

シニアにおすすめの片づけ〜危険なものは全撤去

シニアになってから、はじめてものを片づける人に、真っ先に捨てることをおすすめしたいのは、危険なものです。危険なものとは、そこにあると、事故につながりやすいもの。

年をとってくると、足腰が弱って、機敏に動けなくなるので、家具に体をぶつけたり、なにかに足をひっかけ転倒したりする可能性が高くなります。若いときには想像もしなかったことが起きるのです。

どんなものが危険なのか、6種類、紹介します。高齢の親御さんの片づけを手伝うときも、最優先で捨ててもらうといいですよ。

 

●1.通路をふさいでいるもの

通路で移動をさまたげているものは全部、危険なものです。できるだけ撤去しましょう。床の上にあるものも、移動の邪魔になります。若いときは、どこかにつまずいても、すぐに体勢を戻せますが、年をとると、まともにひっくりかえります。いろいろなものを床にちょい置きするクセがあるなら、これを機会に改めましょう。

マットもすべって危ないときがあるので、本当に必要なマットだけを敷き、古いものは新しいものに取り替えましょう。

廊下の片側に、家具や箱を積み上げるのもNGです。

 

●2.光を妨げるもの

高齢になると目が老化して、ものが見えにくくなるし、白内障や緑内障といった病気にかかりやすくなります。室内にあるものがよく見えないと、転倒や怪我につながるので、明るさを確保するようにしてください。

窓やドアなど、光が出入りする場所を、大きな家具でふさいだり、そばにものを積み上げたりすると、暗い部屋になります。

ライトを置く場合、スタンドライトは、ぶつかりやすいし、コードに足をひっかけやすいので、置き場所に気をつけてください。

 

●3.こわれているもの

こわれた家具(椅子やソファーなど)、家電は、新しいものに取り替えるか、いっそ、使わない生活を始めましょう。

家具調度だけでなく、住まいそのものに難が出ることがあります。4年前に80代の母がひとり暮らしをしている実家に里帰りしたとき、床の羽目板や、畳の一部だけがへこんで、危ないと思った場所があったので、弟に対処するよう頼みました。

実家は築50年以上で、かなり古いので、こういうことが起きても不思議はありません。高齢者は、年金暮らしなので、住まいにちょっと難があっても、お金を出し渋り、すぐに対処しようとは思わないでしょう。ですが、違和感のある場所は、積極的に直すべきです。

●4.期限切れのもの

期限が切れた薬、コスメ、食べ物など、古いものは、もう捨てましょう。高齢者は抵抗力が弱っているので、古いものを使用すると、トラブルが起きやすいです。古いコスメを使って、肌荒れするなんてばからしいですよね?

多くの人は、期限切れのものを「もったいない」と思っていつまでも捨てませんが、期限が切れても残っているのは、ちゃんとストックが回転していない証拠です。つまり、もともと使う必要なんてたいしてなかったのです。

今後、必要になったら、そのタイミングで用意しても、十分間に合います。薬もコスメも、日夜進歩しているので、必要なときに必要な分だけ買うと、そのときの自分に最適なものを使うことができます。

 

●5.いらない装飾品

高齢の人は、思い出の品や、趣味のコレクションをたくさん持っているせいか、いろいろなものを数多く飾る傾向にあります。少なくとも私の母はそうです。

母は、猫の置物、ミニチュアの洋酒、カラオケのテープ、趣味で描いている絵手紙を、みんな並べています。しかし、飾りものが多すぎると、危険です。日本は地震が多いので、ぐらっとひと揺れしたら、ガラガラと上から落ちてきます。

地震が起きなくても、掃除中に、飾り棚に体や掃除機をぶつけることはよくあるでしょう。すると、飾ってあったものがドミノ倒しのように、次々と倒れるかもしれません。

陶器やガラス製のものが、床に落ちたら割れて危ないですよね? あと片づけも面倒です。飾りものは、本当に飾りたいものをポイントをしぼって飾ったほうが、見た目もいいですよ。

 

●6.見るからに危ないもの

明らかに高齢者が使うには危ないと思うものも捨てましょう。たとえば、重すぎる食器、大きすぎる家具や家電など。私はもう何年も前から、自分1人で持てないものはできるだけ生活に導入しないようにしています。移動させるのが大変だし、あまりに大きなものをいつか粗大ゴミに出すのは、気がひけるからです。

身につけるものにも、危ないものはあります。長すぎるパンツ(パジャマなど)をはいていると、裾をふんで転ぶかもしれません。スカートも長いと、階段を降りるとき、裾をふむ可能性があります。

ハイヒールや、底がすべりやすい履物も危険です。これまで、ひやっとした経験があるものは、すべて見直しましょう。

以上、高齢者の家に置くと危険なものを紹介しました。危険なものを捨てると、生活が楽になります。「でも、これはまだきれいだし、捨てるなんてもったいない」としがみつかないほうが自分のためですよ。

筆子さんの著書『50歳からのミニマリスト宣言!』(扶桑社)では、ここで紹介した以外にも、上手なものの減らし方や、ミニマリストになってよかったこと、体と心の健康を保つコツなど、これからの暮らしに役立つ内容をたっぷり掲載しています。