「イタリア人はバカンスのために働いている」と言っても過言ではありません。だからバカンスを楽しむために、日本では聞き慣れない「バカンスローン」を組むことも一般的。コロナ禍では減少していましたが、旅行が解禁になった2022年の夏以降、このローンを組む人が急速に増えています。

↑こんなバカンスならローンを組む価値あり

 

イタリア人のバカンスは長く、最低でも2週間程度から1か月以上も休む人がいます。その分、宿泊費や食費、移動費、娯楽費などの費用がかさむため、イタリアの金融機関ではバカンス向けのローンが用意されているのです。

 

2023年のデータはないものの、2022年上半期のバカンスローンが興味深いトレンドを示しています。それによると、申し込み件数は7万件を超え、融資総金額は1億6000万ユーロ(約248億円※)に拡大。一人当たりの融資額は平均5597ユーロ(約87万円)で、ローン返済は毎月平均107ユーロ(約1万6600円)の約4年間・52回払いとなります。

※1ユーロ=約155円で換算(2023年6月19日現在)

 

また、バカンスローン申請数は2021年上半期と比べて96%増。コロナ禍の影響が縮小し、バカンスに行く人が増えたことが要因となったようです。ローン利用者の27.5%はコロナ禍により旅行を断念していた人たち。このことからもイタリア人がいかにバカンスを心待ちにしていたのかが分かります。

 

利用者の平均年齢は36歳である一方、30代以下が35%を占めるなど金銭的な余裕がない若年層が多いのが特徴。コロナ禍で結婚式やハネムーンを控えていた人たちもバカンスローンを使っており、その利用者を押し上げているとされています。

 

このように、ローンを使ってまでバカンスを楽しむイタリア人。今夏のバカンスローンの利用者はより一層増えそうです。