筆跡がよりくっきりになった磁性メモパッド「クリーンノートKaite」が真の無限メモと言える理由
ひとつの面に、何度でも繰り返し書き消しができるメモツールがある。例えばノート型のホワイトボードがそうだし、キングジム「ブギーボード」シリーズを始めとする感圧液晶ボードもそう。紙のメモのように、書くことでページを消費することがないので、“無限メモ”とも呼ばれるジャンルだ。
ただ、書き消しをする上でどうしても消耗する部分はあって、ホワイトボードはマーカーのインクが無くなるし、感圧液晶ボードは画面リセットに電池を使う。つまり、「無限はちょっと言い過ぎかな?」と感じる。
そんななかにあって、消耗品がいっさい無く、まさに“無限”に近いのが、磁性体を使うタイプのメモパッドだ。
コンパクトになって使いやすさアップのシン・無限メモ
プラスから2019年に発売された磁性メモパッド「クリーンノート Kaite(カイテ)」は、磁性シートの上を磁石ペンでなぞると、シート内部に封入された鉄粉入りマイクロカプセルが吸い付けられて筆跡となる、という仕組み。古くからの磁性メモパッドよりも大幅に解像度がアップしていることで人気となった製品だ。
そして2022年末、Kiateシリーズから新たに登場したのが、「クリーンノート Kaite メモタイプ」と、同「貼れるタイプ」である。
プラス
クリーンノート Kaite メモタイプ
A4 1/3:1600円
90×90mm:1000円(ともに税別)
プラス
クリーンノート Kaite 貼れるタイプ
A4:2500円
B5:1900円
A4 1/3:1300円
ふせんサイズ:800円(全て税別)
初代「Kaite」が硬質ボードだったのに対して、「メモタイプ」は薄くて軽い磁性シートをゴム製のフレームにはめ込んだもの。携帯しやすく、ハンドメモや卓上メモとして運用するのに向いている。
「貼れるタイプ」はフレームがない代わりに、裏面の吸着シートで何度も貼り剥がしができるので、いろいろな場所に貼って、伝言ボードやふせんのような使い方が可能。
個人的には、この新Kaiteからラインナップされた「A4 1/3サイズ」が、とても興味深い。
これは、PCのキーボードと自分の間の隙間に置けて、机上のスペースを有効利用できるということから、近年ノートやメモ帳で人気のサイズ。ノートの場合は厚みがあるため、キータイプするときに手元が気になることもあるが、薄いKaiteならそんな煩わしさもなし。
一時的なワンタイムパスワードなどを手早く書きとめておくなど、「メモタイプ」と「貼れるタイプ」、どちらでもかなり便利に使えるはずだ。また「貼れるタイプ」のふせんサイズはノートPCのパームレストにもジャスト。こちらも、とっさのメモに最適だろう。
コントラスト比アップで使いやすさもアップ!
実際に使ってみたところ、まず文字の視認性がかなり良くなっていることに驚かされた。というのも、シートとペン先の改良によって従来のKaiteよりも確実に筆跡がくっきり濃く見えるのである(コントラスト比はメーカー公称で約35%アップ)。
従来が2Hの鉛筆だとしたら、新版はHB〜Bになった程度の差はあるはずで、これだけでも「新しいKaite、めっちゃ良くなった!」と言い切れる根拠になるだろう。
もうひとつ、シートの表面加工も変わっており、光沢の少ないマットな見た目になったのも大きなポイントだ。
Kiateは専用のスマホアプリ「Kaite」で撮影して書き込み情報を残しておけるのだが、このときに光沢のある従来のシートは表面がテカりやすく、文字が白飛びして読み取れなくなることもしばしばあった。それが、マットなシートならテカりもかなり減らせて、撮影もしやすい。これなら専用アプリを起動する機会も増えそうだ。
対して、少し残念……というか、従来から変わっていないのが、ピンポイント消去のしにくさだ。誤字があった場合、幅広の消去用磁石(ペン軸後端)をあてることで消すことができるが、どうしてもその消去用磁石の倍以上の面積がじわーっと消えてしまうのである。
これは構造上なかなか改善しにくい部分だというのは理解できるものの、解消を待望していたネガティブでもある。できれば次バージョンには期待したいところだ。
とはいっても、書き味が良くなったり、コントラストが上がったりといったことで、新しいKaiteは使い勝手が上がった印象の方が圧倒的に強い。さらに、消耗品が不要かつ消しクズなどが発生しない、というメリットは変わらずあるのだから、これは便利なのに決まっている。
これから“無限メモ”の類をどれか選ぶのなら、まずKaite「メモタイプ」か「貼れるタイプ」を候補に挙げて間違いないだろう。