7日、日本外国特派員協会で講演する「オーマイニュース」の呉連鎬代表(撮影:徳永裕介)

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市民参加型ネット新聞「オーマイニュース」(OMN)日本版運営会社の呉連鎬(オ・ヨンホ)代表と、平野日出木編集次長が7日、東京都有楽町の日本外国特派員協会で講演した。

 呉代表は講演の中で、日本のメディア状況について「日本人は新聞・テレビといったオールドメディアに比較的高い評価を与えてきたが、ニュースを作る側に“参加”することはできなかった」と指摘。一方、インターネットに関しては「市民の自由な参加を可能にしたが、匿名性という点で一般の信頼度はまだまだ低いものがある」との見方を示した。

 その上で呉代表は「OMNは双方の短所を補い、長所を伸ばすことで、オールドメディアとインターネットというニューメディアの架け橋になりたいと思っている」と強調。市民記者の記事にはできる限り手を加えないが、事実関係の確認には最大の努力を払っていると紹介した。

 また平野編集次長は、現在1700人の市民記者が登録していることを公表。8月28日の創刊から11日間で約400本を出稿したが、そのうち市民記者が書いた記事は200本あまりで、残りは自社記者が事前に用意したり、外部ライターに依頼したものだったという。平野次長は「9月の目標は400万PV(ページビュー)で、クリアできそうだ」と順調な滑り出しをアピールしたが、現在は投稿数に比べて編集スタッフが10人と少なく、編集が追いつかない状態が続いているようだ。

 OMNは2000年2月に呉代表が韓国で創刊。市民参加型ジャーナリズムの先駆けで、韓国内の有力報道機関に成長して盧武鉉政権の誕生を後押ししたといわれる。先月創刊した日本版の運営は、呉氏が代表を務める「OMN・インターナショナル」(東京都港区)が担い、編集長には元毎日新聞記者の鳥越俊太郎氏が就任している。【了】
 
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