インテル、無冠だった「超暗黒シーズン」ベストイレブン!
このところ急速に調子を落としており、なんと3月6日のレッチェ戦以降全く勝利がない状況となっているイタリア・セリエAのインテル。
チャンピオンズリーグ出場権を獲得できるトップ4からも陥落しており、シモーネ・インザーギ監督の解任の噂も流れている。
しかしながら、インテルは10年前の2012-13シーズンにはイタリア・セリエAで9位にまで沈むという暗黒の時代を過ごしていたことも記憶に新しい。
今回は「インテルが近年最も低迷した2012-13シーズンのベストイレブン」をご紹介する。
GK:サミル・ハンダノヴィッチ
2012-13シーズンの成績:35試合0ゴール
現在:インテル所属
このシーズンの開幕前にインテルへ加入したハンダノヴィッチ。QPRへと去ったブラジル代表GKジュリオ・セーザルの後継者としてゴールマウスを守ったものの、公式戦48試合に出場して70失点を喫する苦しい年となった。
【関連記事】無冠の8年…アーセナルの「暗黒期ベストイレブン」
それからもずっとインテルでプレーし続けており今季で11シーズン目。出場数は公式戦450試合に達している。これまでは盤石のレギュラーであったが、今季はアンドレ・オナナとポジションを争う立場に。
DF:アンドレア・ラノッキア
2012-13シーズンの成績:32試合2ゴール
現在:引退
2011年にジェノアから加入したラノッキアがレギュラーに定着したシーズンだ。4バックから3バックに変化するなか、どちらでも最終ラインの重要なピースとして起用された。
サンプドリアとハル・シティへのローン移籍を経験しつつも2022年までインテルでプレーし、昨年モンツァへと加入。ただナポリ戦の怪我で腓骨骨折が判明し、それを受けて現役引退を表明した。
DF:フアン・ジェズス
2012-13シーズンの成績:31試合1ゴール
現在:ナポリ所属
2012年夏にブラジルリーグのインテルナシオナウからイタリアのインテルに移籍したということで少し話題になったブラジル人DF。左利きでサイドも中央もこなすユーティリティ性を持ち、このシーズンは3バックシステムの導入でストッパーのポジションを確保した。
2016年までインテルに所属し、その後ローマへ移籍。さらに2021年にナポリと契約し、イタリア・セリエAの3つの強豪クラブを渡り歩く珍しいキャリアパスを描いている。
DF:ワルテル・サムエル
2012-13シーズンの成績:16試合1ゴール
現在:アルゼンチン代表アシスタントコーチ
3バックの最後は選ぶのが難しかった。クリスティアン・キヴやマティアス・シルベストレも起用されたが、その中で最も出場数が多かったのはすでにベテランとなっていたワルテル・サムエルだった。
2014年の夏に長年過ごしたインテルを離れ、スイスリーグの名門バーゼルへと移籍。2年後に引退してインテルのアシスタントコーチに就任した。それからルガーノのコーチを経てアルゼンチン代表のスタッフに転身している。
右WB:ハビエル・サネッティ
2012-13シーズンの成績:33試合0ゴール
現在:インテル副会長
1995年に加入したインテルで19年もの間プレーしたレジェンド。38歳で迎えたこのシーズンであるが、右サイドバックと右ウイングバックでフル稼働。2013年4月のパルマ戦でキャリア1100試合出場という記録を成し遂げたが、その後のパレルモ戦でアキレス腱断裂の大怪我を負って長期離脱となった。
2014年に惜しまれながらも現役引退を表明すると、そのまま当時のエリック・トヒル会長から副会長に任命されて就任。現在も愛するクラブをピッチ外から支えている。
左WB:長友佑都
2012-13シーズンの成績:25試合0ゴール
現在:FC東京所属
これがインテルでの3シーズン目となった長友佑都。4バックではフアン・ジェズス、3バックではアルバロ・ペレイラらとポジションを争いながら25試合に出場した。
この後2013-14シーズンにレギュラーを務めたが、それをピークに出場機会が減少。2018年にガラタサライへ移籍し、さらに2年後にはマルセイユへと加入。酒井宏樹と1年間ぷれーしたあと、FC東京と契約して日本に戻ってきた。
DMF:エステバン・カンビアッソ
2012-13シーズンの成績:33試合3ゴール
レアル・マドリーから2004年にインテルへやってきたアルゼンチンの名プレーメーカー。セリエAで10シーズンにわたってレギュラーを務め、この2012-13もきっちりと活躍していた。
2014年にインテルを退団したあとはレスター・シティへ移籍しプレミアリーグで1年間プレー。その後ギリシャにわたってオリンピアコスで2年を過ごし、2017年で現役を引退した。現在は指導者となっており、先日は古巣オリンピアコスの監督に就任するのではないか?という噂が流れた。
DMF:ワルテル・ガルガーノ
2012-13シーズンの成績:28試合0ゴール
現在:リーベル・プレート所属
ナポリからのローンでインテルに貸し出されていたウルグアイ代表ボランチ。献身的なハードワーカーとして知られ、このシーズンはストラマッチョーニ監督に信頼を受けた。ただ結局買い取りはされず、1年でナポリへ復帰している。
なお38歳になった今も現役選手を続けており、今年2月にペニャロールからリーベル・プレート・モンテビデオに移籍している。
OMF:フレディ・グアリン
2012-13シーズンの成績:32試合4ゴール
現在:引退
その強烈なシュート力から「グアリン砲」というフレーズも話題になったコロンビアの怪物。全く一貫性がないという欠点もあったが、ハマったときはとてつもない才能を見せる愛すべきMFであった。
このシーズンに加入してから2016年1月までインテルでプレーし、その後は中国の上海申花へと移籍した。後にブラジルリーグのヴァスコ・ダ・ガマを経て母国に戻り、名門ミジョナリオスで現役を引退した。なお、2021年にはドラッグとアルコールの影響で家庭内暴力をし、さらに駆けつけた警官を暴行したために逮捕されたことも。
FW:アントニオ・カッサーノ
2012-13シーズンの成績:28試合7ゴール
現在:コメンテーター
イタリアサッカー界屈指の悪童カッサーノ。レアル・マドリーで大失敗したあとサンプドリアで復活し、ミランを経てこのシーズンの開幕前にインテルへ加入した。長友佑都と仲が良かったことで有名である。
ただインテルでは1年のみの所属になり、翌年はパルマへと移籍。ただそこでは給与の未払いとサポーターとの衝突で退団に追い込まれ、サンプドリアへと復帰。ところがそこでも会長と対立して退団し、その後はエラス・ヴェローナに加入するも次の日に退団、ヴィルトゥス・エンテッラ加入が決定するもまたすぐに退団し、現役を引退している。
FW:ロドリゴ・パラシオ
2012-13シーズンの成績:26試合12ゴール
現在:引退
このシーズンのチーム得点王だったパラシオ。ディエゴ・ミリートが途中で前十字靭帯と外側側副靭帯を断裂する大怪我を負って長期離脱し、その穴を埋めたが…12ゴールではクラブの凋落を止めるには至らなかった。
次年度は17ゴールを決めて活躍するも、それを境に調子を落としてしまい得点から見放され、マウロ・イカルディにエースの座を奪われることに。2017年にボローニャへと移籍し、その後ブレシアに所属した2022年に現役引退している。