「将来は月で働こう!」月面基地は2100年頃には1万人が働く都市へと発展!?

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2017年、当時のトランプ政権により発表された「アルテミス計画」。その内容は2025年頃までに女性を含む宇宙飛行士を月面着陸させ、2029年頃までに月周回軌道上の宇宙ステーション「ゲートウェイ」の建設に着手するという壮大なものです。この計画でNASAは、日本も含めた18カ国の合意を得ており、「宇宙発射システム(SLS)」初号機には、日本が開発した10機の小型探査機が相乗りする予定です。
『図解でわかる 14歳からの宇宙活動計画』(インフォビジュアル研究所・著)では、宇宙の秘密や宇宙開発の今、そして未来のプロジェクトまでをカラー図版満載で紹介!
ここでは、その一部を特別に公開します。
今回は、将来、私たち人間にとって月がどんな場所になっているかを一緒に想像してみましょう。

『図解でわかる 14歳からの宇宙活動計画』(インフォビジュアル研究所)

人類が月に住む時代へ

人類が再び月面に立ち、そこに探査基地を築いてから70年後の2100年頃、月面の拠点はひとつの都市に発展し、1万人の人々が働く場所となっている。そんな月面都市の未来が、語られています。

月の開拓の初期は、資源探査の時代が続きます。予測通り、月面で水資源が発見されれば、月の開拓は本格化します。まず、発見された水資源から酸素と水素を製造するプラントが建設され、地球とゲートウェイと月面を結んで飛行するカーゴ・ロケットの燃料がつくられます。

月で燃料を自給することが可能になれば、地球から物資を運搬するコストも低減します。ここから始まるのが、月面での大規模プラント建設です。まず、地球に比べて1.3 倍の太陽光エネルギーを電気に変える巨大な太陽光発電所が建設され、マイクロ波レーザーによって地球に電気が送られます。月面での発電はこれだけではなく、月のレゴリスに含まれているヘリウム3やトリウムを利用した発電所も建設されるでしょう。月は地球へのエネルギー供給基地として、重要な役割を担うことになります。

月面都市が担うもうひとつの役割は、人類が太陽系に飛行する際の出発基地となることです。大気がなく、重力も地球の6分の1しかない月面から飛行すれば、燃料が圧倒的に少なくてすみます。月面都市は、2050年代から本格化する火星開拓のベースキャンプとして機能するでしょう。

大量輸送によってロケットの打ち上げコストが安くなれば、月は人類にとって人気の観光スポットとなるかもしれません。

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本書では、現在分かっている宇宙についての情報や、宇宙開発の歴史や発展、予想も含めた今後の展開についてわかりやすく解説しています。『図解でわかる 14歳からの宇宙活動計画』(インフォビジュアル研究所)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる〜」は、ごみ問題、水資源、気候変動などの環境課題、地政学、資本主義、民主主義、食料問題、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3〜4カ月毎に刊行されています。

Credit:
インフォビジュアル研究所