軽視すると怖い「腰痛・坐骨神経痛」痛みの緩和方法と予防について医師が解説
「最近下半身がよくしびれる」
「腰が痛くてたえられない」
このような悩みを抱えていませんか? 腰痛があると生活に支障が出やすく、ストレスもたまりますよね。
今回は、腰痛と坐骨神経痛の痛みの緩和と予防方法を紹介します。
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1.【腰痛・坐骨神経痛】冷えと痛みの関係とは
最近は気温がぐっと下がり、腰痛・坐骨神経痛がひどくなったと感じる方もいるのではないでしょうか。腰痛・坐骨神経痛は冷えに深く関係しているといわれています。
からだは、気温が下がって冷えてくると、血管を縮めて血流を減らし、血液を内臓に集めます。そのため、運動をせずにいると筋肉に使われる血流が低下して痛みが生じてしまうのです。(※1)
2.腰痛や坐骨神経痛の緩和方法
腰痛・坐骨神経痛の症状が出てしまった場合は、以下の痛みを緩和する方法を試してみてください。
2‐1.温熱療法
腰をあたためて治療することを「温熱療法」といいます。温熱療法では筋肉の緊張をほぐすとともに、痛みを緩和できるため、腰痛・坐骨神経痛の対策として実施されています。
患部にあたためた温湿布をあてるホットパックや、からだの深部をあたためる超音波・マイクロ波・赤外線などの施術もあります。
また、自宅でできる温熱療法としては、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることがおすすめです。
2‐2.ストレッチ
ストレッチで股関節をほぐすと、腰痛・坐骨神経痛の緩和につながります。1日3セットを目標に、以下のストレッチを試してみましょう。
(1) 椅子に座り、右足首を左足のひざの上あたりに乗せる。
(2) そのままの体制で10秒かけ、息を吐きながら上半身を前に倒す。
(3) 反対の足に組み替えてもう一度。
このストレッチでは、坐骨神経が通っている筋肉を伸ばし、坐骨神経痛の痛みを緩和する効果が期待できます。
3.腰痛や坐骨神経痛を予防する方法
腰痛・坐骨神経痛にならないためにも、日々の生活でしっかりと予防しましょう。ここでは、予防方法を紹介します。
3‐1.からだをあたためる食材を摂る
食材にはからだをあたためるもの、からだを冷やすもの、どちらでもないものに分けられます。からだをあたためる食材を積極的に摂り、内側から冷えを防ぎましょう。
<からだをあたためる食材>
・ショウガ
・シナモン
・鶏肉
・長ネギ
・黒砂糖
からだをあたためる食材には、ネギやニンニクなどの刺激のある食材が多くあげられます。これらは血流をよくして新陳代謝を促します。日々の食事にとり入れて、冬でも冷えないようにしましょう。
3‐2.服装を工夫する
肩がけのカバンを使うと重みでからだがゆがみ、腰に負担がかかってしまいます。癖でいつも同じ方向にカバンをかけるという方も多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが、リュックの使用です。両肩にバランスよく重みが加わるため、からだがゆがんでしまうことはありません。
靴は、ヒールのあるものだと腰にも負担がかかってしまうため、ウォーキングシューズなどがおすすめです。必ず試し履きをしてみて、サイズが合わないときには中敷きを利用して調節しましょう。
3‐3.腰に負担がかからないようにする
予防のためにさまざまな工夫をすることは重要ですが、原因を作らないことも大切です。腰に負担がかかる姿勢(中腰・前屈姿勢)をしない、重いものを急に持ち上げない、重いものを持ち上げるときは姿勢に気を付けるなど、日々の生活で腰を痛めないように意識することを心がけましょう。
4.腰痛や坐骨神経痛のケアには漢方もおすすめ
腰痛・坐骨神経痛の対策には、漢方薬の服用もおすすめです。腰痛や坐骨神経痛の原因には、血行不良や冷え、姿勢の悪さ、ストレス、加齢があげられます。また、体力の低下などによって腰や背中の筋肉が緊張したり、坐骨神経が刺激を受けたりすることも原因として考えられるでしょう。
腰痛・坐骨神経痛の改善には、「血流をよくして痛みやしびれを改善する」「からだをあたためて筋肉をゆるめる」「自律神経を整えて心因性の痛みを和らげる」「加齢による体力の衰えを補い、痛みを和らげる」「関節や筋肉の痛みをとる」といった働きのある生薬を含む漢方薬が選ばれます。
漢方薬は腰痛・坐骨神経痛を根本から改善するので、繰り返す痛みでお悩みの方にもおすすめです。
また、自然の生薬から作られている漢方薬は、一般的に副作用も少ないとされています。加えて、医療分野でも利用されており、安全性も認められているのです。
<腰痛・坐骨神経痛の症状におすすめの漢方薬>
・桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):冷え症で、体力があまりない方におすすめの漢方薬です。
からだをぽかぽかとあたため、痛みを緩和させる効果が期待できます。
・疎経活血湯(そけいかっけつとう):体力はやや弱く、血色の悪い方に適応が多い漢方薬です。
血を補い、滞った血の流れを整えることで、足腰の痛み・しびれ・麻痺に働きかけ、神経痛や腰痛に用いられます。
漢方薬を服用する際は、自分のからだに合った漢方薬を選択しましょう。自分のからだに合っていない漢方薬を服用してしまうと、効果が出にくかったり副作用が生じたりなどのデメリットが出る可能性が高まります。
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5.腰痛・坐骨神経痛にならないためにしっかり予防しよう
今回は、腰痛・坐骨神経痛について紹介しました。これからどんどん寒くなってくるので、すでに症状が出ている方はもちろん、症状が出ていない方も冬に向けてからだをあたため、症状の予防を心がけましょう。
参照(※1)
健康長寿ネット「冬の寒い時の運動の注意点」公益財団法人長寿科学振興財団
[文:あんしん漢方]
医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科にて臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならないからだをつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットをいかしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。